コンパニオンバードとおしゃべり
人に慣れ、家族の一員として親密な共同生活を送る事ができるコンパニオンバードの人気は、近年うなぎのぼりです。
それは愛くるしさは勿論ですが、訓練次第で言葉によるコミュニケーションが可能になる事も大きな理由ではないでしょうか。
私自身も現在一緒に暮らしているハルクインコンゴウインコとおしゃべりを楽しんでいて、インスタなどでもその日常をご紹介しています。

ただ、コンパニオンバードをお迎えするなら、飼い主がどのようなコミュニケーションの方法を望むかで選ぶのが良いかもしれません。
歌が得意なのはオカメインコですし、おしゃべりといえばヨウムやセキセイはダントツ、また陽気なダンサーならバタン類(オウム)、フライトを楽しむならコンゴウインコという風に、ある程度の分類はできるからです。
コンパニオンバードなら皆しゃべるの?
最近のユーチューブでは、コンパニオンバードが飼い主さんに応えて色々な言葉を発して意思疎通を図っている様子も見受けられます。
ですが、コンパニオンバードの全ての鳥がおしゃべりできるわけではなく、おしゃべりを得意とする種類が存在します。
おしゃべりが最も得意な鳥はヨウム
動物と人間とのコミュニケーション方法は、主に表情や鳴き声、行動パターンからの推察になるかと思いますが、鳥類の中には明白な言葉で人間に意思を伝える者もあります。
あるおしゃべり上手なヨウムの研究によれば、彼は約200語の言葉を覚えただけでなく、その意味を理解し、時に造語をして簡潔に相手に意思を伝達する事が出来ました。
天才ヨウムの彼の名は、アレックスです。
著書『アレックスと私』によれば、博士に愛され、博士を慕った彼の最期の言葉は、『またね。愛してる』でした。
ヨウムのおしゃべり能力とは
ヨウムは元々知性が高い事でも知られており、中でもおしゃべりを得意としています。
一方でとても神経質な鳥でもあり、その行動は、時に飼い主を悩ませる問題行動として現れます。
先ほどご紹介した天才ヨウムのアレックス君も、自己主張が強く自分の欲求を押し通す頑固な一面が著書の中でも紹介されています。博士は、そのような場面について「うんざりするほど」と記していました。

コンパニオンバードはラブバードとは異なり、あくまでも自分のしたいことを追及する生き物でもあるのですが、欲求を押し通す自己主張の強さは、ヨウムが随一かも知れません。
※ラブバードについてはコザクラインコの特徴~ラブバードとは~でご紹介しています。
ヨウムが初めてしゃべるのはいつ?
一般的にヨウムが言葉を発する(真似る)のは、平均して生後14か月以降と言われています。
中には11か月でしゃべる子もいるそうですが、実は、ヨウムが言葉をマスターするのは、他のインコやオウムに比べると遅いそうです。
おしゃべりが得意な種類を選ぶ
人間とのコミュニケーションを会話の中でマスターできるのがコンパニオンバードですが、おしゃべりを楽しみたいのであれば、おしゃべりが得意な種類を選ぶ事です。
とは言え、個体差によっておしゃべりが苦手な子は確かにいますので、種類の他、選別すべきポイントを抑えてきましょう。
おしゃべりを得意とする種類は?
次に挙げるインコ類は、容易に言葉を覚えるだけでなく、いくつかの言葉の意味を理解して使う事が可能とも言われています。
- ヨウム
- セキセイインコ
- オキナインコ
- 一部の種類のボウシインコ
個体差があるのは
おしゃべりを非常に得意とする者もいれば、そうでない者もいます。これは、おしゃべりが環境因子や飼い主との距離感の影響を受ける為とも考えられているからです。
ここで挙げる種類はおしゃべりが得意な分類になりますが、どれほどしゃべるかは飼い主との距離感と訓練次第かもしれません。
- ホンセイインコ
- ズアカハネナガインコ
- ヒエリインコ
- コンゴウインコ(特にルリコンゴウインコ)
- バタン
- 雄のオカメインコ
性別による差異
雄の方がよくおしゃべりをすると言われていますが、これは一部の鳥類で、セキセイインコ・オカメインコ・バタン類の場合です。
一般的には性別による差異はなく、むしろどのような性格なのかが重要なようです。
実感としては男の子が無難
私自身は、雄のコンゴウインコを飼っていますが、同胞の雌(兄妹)はあまり喋らないそうですので、おしゃべりを楽しみたいなら男の子を選んだ方が良いかもしれません。
おしゃべりは性格も重要
おしゃべりができる鳥を選ぶ上で得意とする種類を選ぶ事は重要ですが、実は個体の性格(基質)もおしゃべり能力を左右する重要な要素になります。
先にご紹介した私が飼っているハルクインコンゴウインコは、まさにその性格のお陰かも知れません。
性格を判断する方法
鳥の性格を見抜くには、鳥の行動を観察します。
縄張りの外に連れ出す事で、その性格は顕著に観察できます。
好奇心旺盛・社会性がある
自己主張が強く、冒険心が豊富で社交的な鳥は、よくおしゃべりをすると言われています。
この様な冒険心や好奇心、特に社交的素質(社会性)のある鳥は他のトレーニングもよく入る良い鳥と言えます。
社会性とは
社会性は全てのコンパニオンバードに共通する重要な要素です。
社会性については、インコ・オウムのしつけ~社会性とは~でより詳細に記載していますので、是非ご参照ください。
恐怖や・不安・拒絶の現れ
人とに対して不信感や不安感がある場合、人が近づいた時に後ずさりをしたり、物陰に隠れるなどの他、羽根を震わせている事もあります。
一方威嚇をするのは強い拒絶感の現れで、近寄る事を許しません。
喜び・興味・楽しさ
以下のような行動が見られたら、それは言葉を覚えたがっている証拠かもしれません。
人に会った時に頭と翼の羽根を逆立てたり、翼を広げるのは興奮している証拠です。
特に首を縦に振る・尾羽を素早く左右に振るのも喜びの表現です。

興味や好奇心を示す時の仕草として、目の虹彩を縮小させる事を繰り返す事も良く見られます。まさに目を白黒させてワクワクドキドキしているのです。
トレーニングと年齢
お喋りトレーニングに関わらず、訓練を入れるなら若い内に越したことはありません。好奇心が旺盛な方が入り易いのも事実だからです。
一般には、小型の鳥なら1歳までに、中型なら2歳までに、大型ならば3~5歳までが理想的です。
この年齢は、繁殖期を迎える頃でもあり、それまでにしつけを入れることが望ましいのです。
若い方が良いが老鳥も訓練次第
好奇心旺盛なのは若い鳥に見られる特徴でもありますが、鳥類では年を重ねた鳥でも新しい芸を覚える事が可能と言われています。
中型から大型のコンパニオンバードの寿命はとても長く25年~50年(以上)です。
一方で若い時の好奇心や自己主張の強さは、問題行動として現れる場合も少なくなく、しつけや訓練をきちんと入れておかなければ長い期間悩まされる事にもなります。
ですが、鳥も年を重ね老年期を迎えるとその性格は穏やかになり、新たな芸を覚える事が可能になるのだそうです。
大切なのは、根気よく、また愛鳥を信じて日々のしつけやトレーニングを行う事のようです。


コメント