鳥類のケージ
インコやオウムはしつけや訓練を入れるのであれば、基本的にはケージで管理した方が良いと言われています。
これは、室内を自由に放鳥させると、部屋自体を縄張りとみなし、言う事をきかなくなるからです。
今回は、インコやオウムのケージ管理についての記事になります。
縄張りとケージの関係

縄張りは最も安全な場所
動物は通常縄張りを持ちますが、人との生活の中では、ケージがその意味を果たしています。
くつろぎ、身の安全を保障
一般に動物は縄張りを持ち、そこで食事や睡眠をとったり、仲間と毛づくろいし合ったり、繁殖行動を行います。
その為、彼らにとって縄張りは最も安心して過ごせる場所でなければなりません。
他方、ケージも縄張りと同じように、リラックスしたり、誰にも邪魔されずに餌やおもちゃを確保できる場所となります。
何より人の居住環境では、自然界以上に危険が存在しているため、ケージで管理することでより安全を確保できるのです。
ケージ管理しないと狂暴に
鳥類では、基本的には部屋の放し飼いはしない方が良いでしょう。
インコやオウム類ならケージ管理し、猛禽類では止まり木を用意して換羽期以外は係留させます。
いずれもその分一日1~2回)しっかり放鳥をさせて、ストレスフリーで過ごせるようにします。こうする事でしつけを学び、自立を助け、飼い主との時間を大切にするようになります。
ところが、単なる放し飼いにすると、部屋全体を縄張りとみなし、入ってくる飼い主にに対しても攻撃的になる事があるのです。
ケージの選び方
雛からお迎えする場合には、時に注意が必要になるかもしれません。
ケージの大きさ
雛の場合は大きすぎるケージは、馴染めないことがあるそうです。この場合、羽をばたつかせたり、落下したり、また飼い主の気を引こうとする行動が見られます。
こうした行動は、繰り返させるとその後の成鳥に影響しますので、適切な対処が必要になります(問題行動の定着)。
その為、ケージが体に比して大きい場合には底上げ(フン切り網を高い位置に)したり、止まり木の位置を下に下げていきます。
環境に慣れ、鳥が自信をつけてきたらそれらの高さを戻します。
ケージ替えのタイミング
インコやオウムは生後18か月から24か月頃には自信がついて、メインのケージに引っ越しても問題なく過ごすことが出来るようになります。
新しいケージの隣に古いケージを置く
スムースにいかない場合には、新しいケージの隣に古いケージを置いて慣れさせます。
新しいケージには好きな餌やおもちゃを入れてあげると、自ら入っていくようになります。
コンゴウインコのケージ替え

サファイア1歳:お迎え時は猫用のケージ
私は2024年に生後11か月のハルクインコンゴウインコをお迎えし、大きなケージが来るまでのつなぎで当初は猫用のケージを使用していました。
お迎え当初は手乗りではなかった為、ケージから出すのは本当に大変でした。

2024年7月16日 ケージ替えで。 初日はやはり興奮気味
新しいケージが来るまでの約3か月間、ステップアップトレーニングも進んだおかげで、手からケージへ、ケージから手へと戻せるようになり、私も鳥も自信がつき、ケージ替えはスムーズに行えました。
狭いケージから大きなケージに変わり、リラックスできたのか、それからほどなくして言葉を喋るようになりました。
ケージの種類
ケージは種類が様々で、基本的には先ほどの大きささえ問題なければ、好みの物を使用するのが良いかと思います。
扉のタイプ
扉の開け方には、上にあげるタイプ、手前に倒すタイプ、横に開くタイプがあります。
扉を上に挙げるタイプ
成鳥で手乗りトレーニングを入れたいならこのタイプをお勧めします。
手乗りトレーニングでは、初めは指先だけを入れ、慣れたら手のひらを上に向けて揃えた指を、徐々に差し込んでいきますが、中から小鳥が飛び立つ事がないよう、差し込んだ手の上に扉を下したまま訓練することが出来るのがこのタイプだからです。
扉を手前に倒すタイプ
扉を手前に倒すタイプは、手乗りトレーニングには不向きです。手を差し込むと隙間が大きく開く為、鳥が逃げる可能性が高いからです。
他方で、ある程度懐いていている鳥は、扉を開けっ放しにして鳥が自由に出入りすることが出来るこのタイプのケージは便利といえます。
放鳥後に呼び戻しが出来ず、なかなか戻らない場合などにも、ケージの中に好物を入れて扉を開けておけば、自然に自ら入ってきます。
アクリルケース
現在はかごではなく、透明のケースも見られるようになりました。大きいもの、小さいものと種類は豊富ですが、いずれにしても高価な物ではあります。
ただ、鳥の種類によっては粉がまったり、餌や羽ねの飛び散りが気になる場合には、お掃除面から言っても、アクリルケージはお勧めです。
ケージ管理の注意事項
鳥にとっては縄張りであるケージですが、注意事項を知れば鳥との快適な暮らしができるようになります。
可能ならケージも2個を用意
コンパニオンバードと言われる種類の中型以上の鳥は、できる限り、2つ以上の選択肢を与えるようにします。
ケージ、餌やおもちゃも2つから選べるようにします。
ケージは一つだけを長期間使用するのではなく、半年ごとに変えるようにするのがベストです。これは一つのケージで長く管理するとケージに固執し、トレーニングやしつけが入りにくくなるからです。
トレーニングはケージの見えない場所で
ステップアップトレーニングは、日々のしつけの上で最も簡易ながら最も効果的なトレーニングです。
ですがうまく進んでいない場合、理由はケージにあるかもしれません。
ケージのある部屋、ケージの見える位置、あるいはケージを使ってトレーニングを行っていないでしょうか?
ケージのある部屋を出て、他の場所で行うと驚くほど素直になります。
これは、縄張り以外の場所では不安により、飼い主に強く依存する為、素直に言う事を聞くようになるからです。
このような心理を利用して、信頼関係を深めるのに効果的なのが、外出です。
鳥がケージにいる時のかかわり方
ケージから呼び鳴きがあっても対応しないようにし、静かに過ごしている時ほど、ご褒美を与えます。
夜間(夕方から)は布をかけるなどして、完全に外から遮断します。
また、ケージに入った鳥がリビングなどで一緒にいても、構うのではなく、玩具を与えて一人遊びができるように見守りましょう。
縄張り意識は適度に必要
ケージ管理をすることで縄張り意識は適度に保たれ、飼い主との距離が適切に保たれ(社会性)、良好な信頼関係を築くことが出来、コンパニオンバードとして素晴らしいパートナーになります。
一方で、縄張り意識が強すぎると飼い主を敵とみなし、攻撃的になりますし、また、一定の飼い主にだけべったりと懐いたコンパニオンバードは、問題行動が顕著に現れます。
一日2回の放鳥を
ケージに固執させない為にも、一日二回の放鳥や外出が効果的です。
また外で沢山遊ばせて疲れ(させ)ると、帰ってきてから静かにケージ内で過ごすことが出来ます。このような場合は、多少小さなケージでも管理することが出来ます。

公園で。うれしいのかお喋りしながらのフライトトレーニング。


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