慣らしトレーニング
インコやオウムに限らず、一般的に動物のトレーニングは生後間もない頃から入れる事を勧められます。
ですが、一定期間を過ぎてからでも十分に新しい行動を身に付けることが出来るのもまぎれもない事実で、それを可能にしてくれるのが『慣らしのトレーニング』です。
慣らしトレーニングとは
慣らしトレーニングとは、ある新しい行動を身に付けさせるために行うもので、徐々にその行動に慣れてもらうために行うトレーニングです。
トレーニングの基本
例えば爪きりや、ハーネスの装着練習は、生まれて間もない頃からしておくと、抵抗感や拒否感を持たない為、速やかに行う事が出来ると言われています。
ただ、幼児期であっても、一定期間(年齢)を過ぎた場合でも、基本的には見せる事から始めます。
トレーニングの手順
まずは入れたい行動に関する物をケージの外、あるいは離れた場所から見せてあげ、嫌がる動作が見られれば無理はしないで引っ込めたり中止をします。
※中止を繰り返すと動物は成功体験を積めなくなり、社会性や自立心の成長を阻むことに繋がります。
爪切りの場合
まずは爪切りを見せ、後ずさり(威嚇やパニック含む)をするようなら、見せた物をさっと見えないように引っ込めます。
慣れてきたら爪切りを見せつつ、もう片方の手で鳥の足先から爪を撫でていきます。脚に違和感を与えつつも、嫌がる動作が見られなければ恐怖は感じていない筈です。
そして次なる行動は爪を持ち上げてみるのです。
上記手順で徐々に慣れさせ、体に触れさせても大丈夫になったらいよいよ本番です。
はじめはうまく行かないと思いますので、指一本の爪のほんの先端でも構いませんので、切る事が出来たら大成功です。ご褒美を上げましょう。

2025年7月9日 終わったらたくさん褒めてあげましょう
基本的にはこれの繰り返しで、昨日1本の指なら今日は2本目の指、明日は3本目、その次は4本目の指と進み、次のクールで、もう少しだけ深く切れるようにします。
爪切りでの注意は、最初に深爪をして痛みや出血を伴うと強い拒否反応を示すことがあります。このような痛みを伴う経験を飼い主から受けてしまうと不信感につながる恐れがあるので、決して無理はしないようにしましょう。
お勧めの爪切りはこちら
トレーニングで最も重要な事
トレーニングで最も重要なのは、毎日3分でも良いから必ず行い、条件反射的に動物が反応できるように持っていくことです。
その為、毎日行う事が最低条件とも言えます。
昨日できないことが今日できれば、それがどんなに些細な事でも回を重ねれば必ずできるようになりますので、飼い主が諦めずに最後までやり遂げるようにします。
トレーニングでは遊びを交えるのが効果的
トレーニングでは、動物が楽しみながらできたり、また必ずご褒美がもらえると教えることも重要です。
タオル保定は「いないいないばあっ!」から
病院での処置や採血の時には、基本的にはタオル保定が行われます。

爪切りは基本的には病院で
鳥類のタオル保定では、顔からタオルを覆って視界を奪い、両足を抑えて体位を整えますが、この時に激しく抵抗をすると、嘔吐などをさせてしまうことがあります。
私は基本的にはコンゴウインコの爪切りは動物病院にお願いしていますが、5回目くらいの時に初めて吐いてしまいました。
保定トレーニングを入れていない以上、慣れることはないようですので、こうした体験からも日ごろかタオル慣れはさせるべきと思いました。
タオル保定のトレーニングでは、乳幼児をあやすように、「いないいないばあっ!」で、見せる事から始めます。
タオルの色は、トレーニングを入れたい個体のお腹に近い色が良いと言われています。これは、母親の羽根(やお腹)に包まれているイメージを与えるからだそうです。
徐々に体に触れるようにし、少しづつ距離を詰めていき、タオルにくるまれるようにします。
行動練習は、必ず縄張り(ケージ)を外れた場所で
行動習得の為のトレーニングでは基本的にはケージが見えない場所や普段使わない場所で行います。
これは縄張り意識を解くことで狂暴性を抑えらえるからです。言い換えると、縄張り意識のあるケージの中では狂暴になります。
この点についてはインコ・オウムのケージを選ぶ~縄張り意識~をご参照頂ければ幸いです。

大好きな水浴びの後に。玄関では大人しい ハルクインコンゴウインコ
タオルトレーニングは、はじめは大好きな水浴びの後に、玄関で「タオルくるくる」と教えながら体拭きと一緒にしていますがまず抵抗はありません。
ところが、これが部屋の中で、無意味にタオルでくるもうとすると嫌がりますので、体拭きを定着させて、徐々に場所を移動したり、シチュエーションを変えて行いましょう。
ちなみにうちは、ずっと玄関で爪切り練習もしていますし、現在もハーネスも必ずここでつけるようにしています。


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