初めての鷹匠訓練~スモールステップス~

紐付きトレーニング  鷹匠

スモールステップスとは

スモールステップスとは、止まり木から段階的に短距離を飛べるようにする屋外トレーニングで、基本メニューのうちの中間的段階になります。

距離と言っても数値としての距離を飛ぶのではなく、猛禽にとっての段階的フライトになります(詳細は後述)。

初心者の訓練としてではなく、鳥屋明けの訓練にも適していますので、ここでしっかり基本を学んでおくと、フリーフライトで苦労する事はないので、ぜひ最後まで目を通していただければ幸いです。

基本メニューと概要(ハリスホークの場合)

基本メニューの全体的な流れは、鷹を飛ばす5つの目標と基本メニューでもご紹介しています。

  • メニュー1『据え』:(室内)据えが出来、グローブまでジャンプして餌を食べる事ができる
  • メニュー2『据え回し』:据え回しで餌を食べる事ができる
  • メニュー3『スモールステップス』:短い距離で呼び戻しができる(屋外での短距離フライト)
  • メニュー4『渡り(ひも付き)』:クリアンスの距離で呼び戻しができる(紐付きフライト)
  • メニュー5『ルアー訓練』:絶対的回収手段として入れる

基本メニューでは各段階に目標があるので、一つ一つこなしてから次に行くようにしますが、『据え』『据え回し』を適切に出来る事は、猛禽の習性を理解する事にもつながりますので、まずはしっかりと行えるようにしてからスモールステップスに移る事をお勧めします。

事前準備

減量とフンの性状

据え回しやスモールステップスなど屋外訓練を行う際には、少し体重を下げておき、終了する際も満腹状態にはならないようにします。

これは、万一紐が外れてしまった場合でも回収できる見込みがあるからす。

また、調教を入れる場合の減量の目安は、フル体重の1割程度まで体重を下げる事ですが、ハリスホークであれば1割まで下げる必要はありません。

合わせて訓練前のフンの性状も観察しておきましょう。

スモールステップス

スモールステップスは、1m・1.5m・2mと徐々に距離を伸ばして飛べるようにするのではなく、段階を設けてフライトを進める方法です(参照文献:ザ・猛禽類より)。

  • 脚で飛び移る
  • 翼を一打ち併用する
  • 離陸してすぐ着地する
  • 離陸して「飛行」してから着地する

この本によると、これら4つの行動は、『質』の異なる行動であり、距離という『量』以上に異なるものとされまています。

そして質として同じ行動であれば、紐付きで可能な範囲内の多少の距離の差はどうでもいい、とさえ言っています。

私がこの本に出合ったのはフリーにする前でしたが、当時は文言の意味が分からない部分も多くありました。

それが、フリーにしてみて色んな失敗経験を積んだことで、振り返ってみると当てはまる事が多いことが分かったのです。

脚で飛び移る

スモールステップス 鷹匠

8/30 ステップ1 脚で飛び移る

室内訓練から屋外訓練へ出て、最初のフライト訓練です。

ある程度の高さの止まり木に乗せてグローブに飛び移るようにします。特に問題がなければ、次のステップに移ります。

翼をひとうち併用する

先ほどの訓練より少し距離を加えてグローブに飛んで来るようにします。大事なのは餌を見せてすぐに反応できるという事です。

スモールステップス 鷹匠

ステップ2 翼をひとうちする

また、グローブから止まり木に戻し、この往復をスムーズに繰り返せるようにします。

離陸してすぐ着地する

スモールステップス 鷹匠

8/30 スモールステップス3          離陸してすぐ着地

『ザ・猛禽類』によれば、「離陸してすぐ着地」は実は難しく、ごく短距離でしっかり習慣づける、とあります。

翼をひとうちした距離よりやや遠くになります。

ここでも餌を見せてすぐに反応できる事が大切ですが、距離(あるいは高さ)が少しでも出ると、初めての訓練ではなかなか上手く行かないかもしれません。

このような場合には、餌を20秒以上見せない、来ないからと餌を大きくしない、来ないからとすぐに近くに寄らないようにします。

スマホでも見ながら10分程度放置して見ましょう。すると、反応することが良くあります。ここでコツを掴んでスムーズに進めば、次移行のステップが楽になります。

場所や訓練に慣れると体重が増えても反応が上がるようになります。次の段階に行く為に数日かけて減量を行います。

離陸して「飛行」してから着地する

短距離でスムーズに餌に反応が出来るようになったら、一気に距離を伸ばして「飛行」という行動を加えての訓練に入ります。

スモールステップス 鷹匠

9/23 ステップ4             離陸して「飛行」してから着地する

この一連の訓練は同じ場所で行いますが、この頃になると周囲の環境にも慣れてきていると思います。

餌への反応を上げる要素は単に体重を落とすだけではなく、十分に環境に慣らす事も大切です。環境に慣れていないようであれば、フライト前に据え回しをしてみましょう。

鳥屋明けの訓練として

初めてのトレーニングに欠かせないスモールステップスですが、鳥屋明けで体重がフルウェイトになっているハリスのトレーニングにも最適だと思います。

もし今、ハリスのフリーフライトで上手く行っていないと思う節があれば、スモールステップから入れなおす事をお勧めします。

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