初めての鷹匠訓練~紐付き訓練で行う事~

高所訓練 スモールステップス 鷹匠
9/23 紐付きフライト高所訓練

紐付き訓練で行う事

鷹の初期トレーニングではいくつかの目標があり、それを達成すために基本的な訓練メニューがあります。

  • 目標1『据え』:グローブの上で餌を食べる事ができる
  • 目標2『据え回し』:各ポイントで餌を食べる事ができる
  • 目標3『スモールステップス』:各段階で餌への反応が良い
  • 目標4紐『訓練紐でフライト』:高所や環境を変えて餌への反応が良い
  • 目標5:ルアー訓練で餌への反応が良い

これらは、各段階でスムーズに行えるようになってから次のステップに行く事をお勧めします。

フライトトレーニングで最も肝心な事

据えから始まった初期訓練で、スモールステップスをスムーズに行えるようになったら、いよいよ本格的なフライト訓練に近づいてきました。

もし、スモールステップスがまだ順調(スムーズ)とは言えないのであれば、餌への反応を高める事に集中すべきです。

何故なら鷹のフライトトレーニングは飛距離の更新が目的ではなく、常に『合図をしたら即座に反応できる』ようにする事が目的だからです。そうでなければ、必ず、フリーフライトで行き詰りを感じる事になるでしょう。

大事なのは条件反射的に習得させること

『合図をしたら即座に反応できる』ようになったら、今度はこれを定着させる必要があります。定着させるために必要な事は、出来た事を繰り返し行う事です。

私自身、飼育3年目までは距離を伸ばす事に意識が行ってしまい、最も肝心な、できた事を繰り返し行う事で体に定着させるという事をしていませんでした。

この、使役者側の問題行動は必ずフライトが上手く行かない、という結果に繋がりますので、一つ一つのメニューについて、出来たからすぐに次なるステップに行くのではなく、行動を定着させてから進むようにしましょう。

紐付き訓練で行う事

紐付きトレーニングで行うのは、スモールステップスはもちろん、高所からの呼び戻しや場所を変えてのトレーニング、ルアートレーニングまでを行います。

筋力アップの為のジャンプアップも紐付きの内に入れるべきメニューですが、段階として区別してご紹介しています。

訓練で大切なのは、『質の異なるメニュー』をこなすことです。質の異なるメニューの重要性については、既にスモールステップスでご紹介しています。

高所からの呼び戻し

高所訓練 スモールステップス

9/23 鳥屋明け後の紐付きフライト 高所訓練

紐をつけた状態で、高い場所に上げて呼び戻しを行います。

この時期はひも付き訓練で最も注意しなければならないかも知れません。

ひもを長くする必要はなく、猛禽の安全を確保できる場所、そして自分自身で救助が出来る場所で行う事が大切です。

場所を変えて行う

フライトトレーニングでは、3か所くらい景色の異なる場所を持つと良いと言われています。

例えば、一つ目は自宅付近の住宅街や公園、二つ目は木々の並ぶ林や森、3か所目は広がる田園や畑など障害物がない、というような具合です。

初めての場所、慣れていない場所では警戒心が強く働くため呼び戻しが上手く行きません。

その為、普段飛んでいる場所での体重よりも少し下げるのですが、こうした場所も慣れてくると体重が増えても飛べるようになります。

まずは、初めて行く場所では据え回しをして、環境に慣れさせてから行う事も大切です。

鷹のフライト訓練~環境で反応が変わる~

ルアートレーニング

ルアー紹介 ハリスホーク

ルアーに大きな餌がついていることを認識させる

長かった紐付きトレーニングの最終段階は、絶対的回収手段としてルアートレーニングを入れる事です。

ルアーについては、トレーニングの意義と、トレーニングの手順でご紹介しています。

ここで餌への反応を高めることが出来たら、いよいよフリーフライトへの準備になります。

体重管理と肉色当て

スモールステップスの訓練からは徐々に体重を下げ、各段階で行動の定着を行ってきた猛禽ですが、最終段階(離陸して「飛行」してから着地する)での体重は、いわゆるフライティングウェイトでかつ高めの体重でもいう事を聞ける状態になっていたと思います。

そこで、新しいトレーニングを入れる場合には毎回、数日から10日前後かけて体重を下げ、ハンティングウェイトに近い状態から始めます。

ですが、減量には一日に減らせる限界の体重量と、給餌に必要な1日の最低量がありますので、これを極端に逸脱しないように注意が必要です。

ハンティングウェイトとは

フライティングウェイトは、普段の訓練場所や慣れている場所(ホーム)でのフライトに適した体重(90%以上)の事を言いました。

ハンティングウェイトとは、初めて行く場所・慣れていない場所(アウェイ)で適した体重(85~90%前後)のことを言います。

給餌量や体重の関係についての詳細は以下の記事でご紹介しています。

鷹の体重管理と給餌の関係~フライトトレーニング~

鷹の体重管理~減量と代謝とフンの関係~

体重測定のみに頼らない

竜骨突起 肉色当て

竜骨突起と肉色当ての様子

減量の際、体重計測のみに頼るのは危険であることは、肉色当てと代謝の関係でご紹介しましたが、もし肉色当てで判断を迷うのであれば『高めの肉色』が基本になります。

体重と肉色の状態にはタイムラグがあり、特に体重が急激に下がるポイントがあるので、この場合は、無理なフライトはせず、脂質(脂肪)を含めた肉を少しづつあげ体重を徐々に戻しましょう

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