鷹のフライトトレーニング~フリーにする判断~

鷹匠
ノスリとは、野をスレスレに飛ぶことから名づけられた。

ハリスホークのフリーフライト

飼育3年目を迎えたハリスホークの天雅君、現在フリーフライトを楽しみながら失敗したことや学んだことを、ブログやYouTubeでご紹介しています。

今回は、初心者がハリスホークのフリーフライトを、どのタイミングで決めたら良いのかをご紹介します。

鷹匠になるには

鷹匠とは

鷹匠とは「鷹を所有し使役する人」のことを言います。

その為、一般人がペットとして鷹の所有や使役をする為の資格や行政への届け出は不要になりますし、フリーにするにしても特定の認定試験は存在しません。

鷹匠になるための国家資格はない

現在鷹匠を名乗る為の国家資格はなく、民間の団体(日本鷹匠協会や諏訪流放鷹術保存会等)が会員の為に行う認定試験が存在するのみ(非営利目的)です。

ただ、販売や訓練などを業として行う(営利目的)のであれば、第1種動物取扱業の登録をし、その中の動物取扱責任者になる場合に規定の資格や条件を所有しなければなりません。

訓練さえすれば誰でもフリーに

ハリスホークは唯一、群れで狩りを行う鷹です。

その資質ゆえに人を仲間と認識するため鷹狩を行うことができます。

別名は「空飛ぶ犬」

ハリスホークは別名「空飛ぶ犬」と言われるほどに人に懐くので、初めて飼うならハリスホークと言われています。

また、雌は雄より体が一回り大きく狩りが上手い点で、初心者には扱いにくく、初めて迎えるなら断然雄とも言われています。

初心者でも3年あればフリーに

初めてのトレーニングでも、3年もあればフリーにすることが出来るとも言われていますが、実際のところ、日々のトレーニングをきちんと行っていれば、早ければ1年未満、遅くても1年半もあればフリーに出来るようです。

私自身も、1年4か月でフリーにする事が出来ました。

私の生活背景

私の場合、仕事(フル出勤)をしながら学業(通信教育で1~2回の登校/月)をし、その最中に初めてのペットとなるハリスホークをお迎えしました。

大抵は購入元で行われる無料のトレーニングがありますので、私も初期の頃にはそうした合同訓練へ参加をしました。

ただ、仕事や学校の都合上、4~6か月に1回(計3回程度)程度しか受けられず、また日々のフライト練習もままならなかったので時間はかかりましたが、お迎えから1年4か月目にしてフリーにすることが出来ました。

自己判断が不安なら

私自身は、所有している鷹をフリーにできるかどうかは、自己判断ではなく、購入元(エキゾチックアニマル~鷹の庵~)の鷹匠に判定をしてもらえるようにお願いし、試験と言う形で見ていただきました。

結果は2回目でパスしたのですが、今ならなぜ落ちたのか、日々のトレーニングで何が足らなかったのかが見えるようになりました。

フリーに出来る決め手とは

団体が行う認定試験では各段階に詳細な基準があるようなので、そうしたものを参考に考えるのも良いかと思います。

ここでは、基本的なトレーニングを終え、いよいよフリーに出来るかなと、考える最終段階のフライト判断についてご紹介いたします。

鷹を呼び戻す為の基本メニューと具体的な内容

毎年の鳥屋明け(換羽後)でも同じ

ハリスホークの鳥屋明けでも、急にフリーフライトをすることはなく、鳥屋明けの訓練を行ってから鷹狩に向けてフリーにしますので、フリー判断は毎年する事になります。

鷹の換羽期の過ごし方~鳥屋入りから鳥屋明けの訓練~

その為、以下にご紹介する点は最低でも抑えておくと良いと思います。

ルアートレーニングが入っている

ルアー ハリスホーク

空中キャッチは自然にできるように

ルアーについては、こちらの記事で詳細にご紹介していますのでトレーニングの必要性やルアーの入れ方については、この記事では割愛しますが、これこそが絶対的回収手段になるので、必ず入れておくことをお勧めします。

鷹の初期トレーニング~ルアートレーニングの必要性~

鷹の初期トレーニング~ルアートレーニング~

ルアー訓練の必要性と訓練手順~ハリスホークの初期訓練~
ハリスホークのルアートレーニングについて、必要性とトレーニング方法をまとめました。確実な回収手段を持ったうえで、ハリスホークのフリーフライトを楽しんでいただけたらと思います。

高所からの呼び戻しができる

ハリスホークの呼び戻しでは、体重と肉色の管理のほか、所(環境)の選定も重要になります。

フリーフライト ハリスホーク

20250923 高い位置で。体重を下げていない為反応しない(鳥屋明け)

つまり、ハリスホークをフライトさせるためには単に体重や肉色を落とせば良いというものではなく、フライト環境に合わせて体重と肉色を管理する必要があるのです。

特に高所からの呼び戻しが出来なければならないのは、フリーにしたハリス(その他鳥類)は、高いところへ行きたがる為、初めて行くような高い場所からでも、呼び戻す事が出来なければならないからです。

その為、紐付きトレーニングの段階で、低い位置だけでなく高い場所からも呼び戻しを入れますが、紐付き訓練では、紐が長ければ長いほどリスクを伴いますので、十分に注意しましょう。

理想は、呼んでから10秒以内に呼び戻せる

呼び戻しの反応は、20秒~30秒以内と言われていますが、個人的には30秒は長すぎますし、20秒もフリーにするなら長いように思います。

理想的なのは10秒~15秒以下のように思います。

鷹の初期トレーニング~餌への反応~
鷹のフリーフライトの為には、基礎訓練をしっかり行う事は勿論ですが、餌への反応を高め、確実に回収できるようにしなければなりません。今回は、餌への反応について、また餌への反応を上げる為にはどのような事に注意したら良いのかを総合的にまとめてみまし...

呼び戻しが可能になるのは空腹だからですが、単に体重を落とすだけでは反応に繋がらない、という何とも難しい問題があります。

その為肉色当てが重要になりますが、肉色当てに迷ったら高めの肉色を意識しましょう。

これは、肉色が低すぎても、また体重を落としすぎても(フル体重の85%以下)ロストのリスクが高まるからです。

鷹のフライトトレーニング~ロスト防止が最重要課題~

日々のトレーニングを怠らない

ハリスホークは使役者と信頼関係を築く事で鷹狩が可能になります。

また、ただ懐いているからと言って、日々のトレーニングや管理を怠ってフリーにすればロストする事は間違いありません。

これは、鳥類が必ずしも帰巣本能があるわけではないからです。

日々のトレーニングが難しいのであれば、紐付き訓練だけもで行い、愛玩として愛でてあげることも、一つの生き方ではないかと思います。

ただ、私自身の個人的な感想ですが、私がフリーフライトをしているときに幸せをかみしめることが出来るのは、相棒もまた、フリーフライトを楽しみ、呼べば必ず帰ってきてくれるからです。

そしてフライト後に帰宅した時には、必ず手に据え、お水を手向けてあげるのですが、それをおいしそうに飲む天雅を見つめるている時間が、たまらなく貴重であると感じられるからなのかもしれません。

フリーフライト

2025年5月 トレーニング後の給水はグローブの上で

鷹匠になるには

2023年 仕事から帰ってきてすぐ

フリーにすると急成長する

これは、私も鷹匠に言われたのですが、フリーにすると訓練が早く進むようになります。

実際、ルアーキャッチもフリーにした後に見違えるほど上手になりましたし、餌への反応も断然良くなりました。

紐付き訓練は、行動制限であるため、フライトの距離も出せませんし、高さも限界があります。

その為、先ほども書いたように

  1. 餌への反応が良い(できれば15秒以下)
  2. 高所からの呼び戻しができる
  3. ルアー訓練が入っている

この3点ができていれば、フリーは可能かと思います。

 

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