初めての鷹匠訓練
猛禽のフライトトレーニングにはこなすべき基本メニューがありますが、ここでは、据え・据え回しが出来た後、初めて紐をつけてフライト訓練を行う場合の手順をご紹介しています。
グローブに飛んで来る
据えによりグローブの上で餌を食べれるようになったら、今度はグローブにジャンプして餌を食べれるようにします。
はじめはパーチからグローブに慣らす
まずは室内で猛禽をパーチなどにのせてグローブにジャンプできるようにします。
餌は、一口(指の先くらいの小さい物)くらいとしまずは、ジャンプできる距離でグローブに呼びます。
この時の距離は50㎝程度です。
はじめは片足乗せただけでも成功ですので、必ず餌を与えるようにします。
また、1回でもジャンプで両足が乗れるなら順調と思って間違いありません。
大切なのは反応の速さ
重要なのはジャンプの距離ではなく、短い距離でも素早く餌に反応できる、という事です。
鷹にとって最も無防備となる体制は、餌を食べる際に頭を下に向ける姿勢であると言われています。
そのため鷹にとってのジャンプ(の距離)は、餌を食べる為に安全なのかを推し量る距離でもあります。
ここで使役者がジャンプの距離を伸ばす事に集中してしまうと、後々のフライトに影響が出ますので、まずは短い距離でも確実に飛べるようにします。
餌を握ったグローブを差し出すのは初心者には危険
餌であるヒヨコやウズラを、細かく切らずに握ったグローブを鷹の前に差し出す方法があります。
この場合、鷹が一口かじったら、使役者は鷹にバレない様にグローブの餌を素早く下に引っ込めてエサ入れへ隠さなければなりません。
この時引っ込め方が悪いと鷹にバレて、鋭い爪で、餌や使役者の指をつかんで離さなくなります。
ここで無理に取り上げようとしたり、つかんだ指から離そうとすると、自分の餌を横取りされたと思い更に強い力で握り返してきて非常に危険です。
特に指をつかまれた時には神経障害を起こす恐れがあります。
初心者の場合や、使役に慣れるまでは、勧める事はできない方法です。
必ず掛け声をかける
餌を与える時は必ず掛け声(名前を呼ぶ、ハイと言う、笛を吹くなど)をかけ、餌の合図を覚えさせます。
『据え』で行った掛け声は、通常の呼び戻しで使用すると良いでしょう。
ここで重要なのは、呼び方を統一する事です。
はじめは餌を見せる時に掛けますが、何度も行っていくうちに掛け声をかければそれが餌であると認識し、掛け声により飛んで来るようになります。
また、練習メニューにより呼び方を変えます。例えば、ルアーでは笛を吹く、見えない場所からの呼び戻しでは餌合子を使用する、などです。
※道具の紹介は、こちらの記事をご参照ください。
スムーズに往復できているか
グローブへのジャンプに時間がかかる場合、距離を短くし、片足だけでも乗れるようにします。
グローブに乗りそうもなければ、その日の練習は中止します。
この場合、本来与えようとした餌の量を少し減らして『据え』に戻って給餌しますが、必ずグローブの上で与えるようにします。
そして24時間後に同じメニューを行います。
空腹になれば鷹は必ず餌を食べるようになります。
ですが、一日に減らして良い体重には限界がありますし、減量していく上で肉色(しし)当てをしなければ取り返しのつかない事態を招く事もあります。
その為にも絶食や急激な体重減少は避け、体重と併用して肉色当てを行う事を習慣透けるようにします。
リーシュの長さ(約90㎝)をジャンプ
グローブとパーチの往復がスムーズにできるようになったら次のリーシュの長さに挑戦します。
リーシュとは、稽留用の紐(ザイル)です。要領はパーチの長さと同じです。
室内での練習を5日~1週間して順調に出来たら、外での練習になります。
終わりに
このブログは、実際にハリスホークを飼っている一個人が、自身の訓練の成果や失敗を元踏まえて構成したものです。
補助的なものとして参考になれば幸いです。

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