インコ・オウムの行動修正訓練~噛み癖・齧り癖の矯正~

コンゴウインコ 行動修正トレーニング インコ・オウム
地元の神社へ。

噛み癖・かじり癖の修正

インコやオウムなどの鳥類は、齧ることや噛むことが本能なのでそのこと自体をなくすことはできないのですが、行動修正トレーニングを入れる事で改善する事はできます。

今日は、私の愛鳥ハルクインコンゴウインコの齧るという行為を修正した経験をご紹介いたします。

なぜ齧るのか

鳥が物を齧るのは、ごく自然なことです。

ただ、彼らには噛むことや齧る事で、私達人に対して意思表示をする事が多々ありますので、それを汲み取る事も重要です。

コンパニオンバード トレーニング

手作り玩具にはおやつの胡桃。これが大好物

訓練中の噛みつき矯正

私がコンゴウインコをお迎えしたのは、1歳を目前に控えた男の子でした。

すでに人の手から餌を食べる事は出来ていましたので、お迎えから2週間後に手乗り訓練を開始しました。

行動を習慣づけるなら条件付け

手乗りトレーニングは、ある行動を習慣づける為に(ご褒美をもらえるという)条件を付けて覚えてもらう典型的な訓練です。

その為、言う事を聞けなかった場合にはご褒美を与えないこと、また動物のペースに合わせない事が重要です。

手乗り訓練の手順は、好物を嘴から徐々に離して、手や腕に乗らなければ食べる事ができないように仕向ける事ですが、ここで、問題が生じたのです。

実際の手乗りトレーニング

私はご褒美として大好物のひまわりの種を与え、10日もすると台の上に乗せた安定した腕の上になら乗るようになりました。

ですが、慣れてくると、ひまわり食べたさに私の腕をつついて次の種を要求するようになったのです。

インコ オウム

手乗り訓練で、噛んでご褒美を催促

ただ、つつかれたと言っても特に痛みがなかった私は、つい見過ごしてしまいました。

ところが3~4日後には、毎回つついてくるようなり、自分の食べたいタイミングで種をもらえないと噛みついて教えるようになったのです。

これが習慣化と悪化です。

コンゴウインコは賢いので、慣れてくると加減をしてくれ皮膚を傷つけるような噛みつき方はしないのですが、それでも気に入らない人を遠ざける位の威力で、噛みつきます。

強く嚙んでくる、この様な行為が訓練中に1度でもあったら、まずは訓練を中止します。

私はこの時はケージに戻し、その日は好物を与える事はしませんでした(タイムアウト)。※後にこの方法は好ましくないと知りました。

翌日再び訓練を始めましたが、やはり自分の食べたいタイミングで食べられないと噛みついてくる行為がありましたので、訓練を一時中断しました。

そして「噛みつくなら訓練は中止にしましょう」と言い、今回はケージに戻すのではなく、一旦餌を下げ見えない状態にし、10分くらい放置しました。

そして鳥が落ち着いていたら訓練を再開し、また好物を与えます。このようにして『噛みつき行為をすると好物を得られない』という関連付けを行います。

すると、強く噛む事はなく甘噛み程度にまでは抑えられるようになりました。訓練開始から3週間目です。

ただ甘噛みでも、以前ほどではないにしろそれを許す事は彼のペースに合わせる事であり、訓練を進める上で必ずまた支障が出ます。

問題行動があった場合には好物を得られない、という関連付けを行う調教を徹底していく事が大切です。

問題行動を違う行動に

手乗り訓練が進んでもやはり噛んで催促する行動は見られましたので、ここで、行動変換を試みました。

当時はまだおしゃべりができない頃でしたでので、私としてはおしゃべりをしてくれたらうれしいと思い、次を欲しがる時には、腕をゆすりつつ「もっと」という言葉を言いながら与えるようにしました。

が・・・。

結果

腕に乗っている時は、腕をゆすると足場が不安定になるので、効果的に問題を修正できます。

ただ、腕や飼い主を嫌いになるほどゆすったりしてはいけませんので、やむをえない時に行います。

おしゃべり前は、首を縦に上下に揺らして催促するようになりました。

おしゃべりをしてから(お迎えから4か月後)は、覚えた言葉で「おはよう」「こんにちは」を言って催促してきます。

言葉をしゃべる度に、私がうれしく思いご褒美を与えた事で、自分なりに学習しているようです。

鳥に、嫌いな人を作らせない

元来オンリーワン体質のラブバード・コンパニオンバードですので、ひとりの人には速やかに懐くのに、一緒に暮らす家族には攻撃性を発揮し、指を出すと噛みつく事も多く見られます。

その為、鳥に、嫌いな人を作らせないようにします。

鳥は単純と言えば単純なので、鳥が喜ぶ事をしてくれる人を好きになります。

最も効果的なのは、大好物を与える、一緒に遊ぶ事です。

鳥の好物の見つけ方は、数種類の餌を混ぜて与え一番初めに食べ始めるものです。

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初めてハーネスをつけて外出。 緊張はマックス

餌付け

通常餌は鳥かごにセットをし、主食は必ず栄養バランスの整ったペレットにします。

普段は、鳥かごにセットした餌入れから一人で食べるられるようにします。これは鳥の自立行動を促す為で、社会性を持つ上で重要であり協調性を発達させる土台になるからです。

また好物を与えるのは、トレーニングの時だけにします。

ステップアップで成功した時や、鳥に嫌われている人が好かれるように訓練をする時、初めて会う人など、ご褒美がなければ鳥が苦痛であろう時を見計らって与えます。

この場合でも、脂質の多い種子類(ナッツやヒマワリの種)の食べ過ぎには注意が必要になります。

※脂質の多い食品は、鳥の身体や感情に悪い影響を与え怒りっぽくなると言われています。これは人間も同じですね。

外出させる

コンパニオンバード 散歩 信頼関係

10回目くらいの外出でようやく地面を歩くように

絆を深める為には、鳥の知らない場所に連れ出すと良質な絆を結ぶことができると言われています。

特にお気に入りでない人や信頼関係を構築できていない場合に行うのが良く、見知らぬ土地に行った鳥は、頼る事ができる人は唯一あなただけであることを悟り、その人を信頼する気持ちが芽生えるのです。

大型の鳥と信頼関係を築くには

日常のトレーニングもこの心理を利用しますので、できるだけ早いうちに、外で行えるようにします。

訓練以外にも、キャリーケースに入れてドライブに行くだけでも効果があると言われています。外の景色を見せ、鳥が気分転換できるようにします。

難しい場合にはまずはケージの外で調教できるようにします。

外出と子供たちとの触れ合いは最も効果的

個人的な感想ですが、最近自分でも驚いた事がありました。

仕事が休みの日にはいつもハルクインコンゴウインコを連れて外出していたのですが、それは大抵平日の日中でしたので、大人の方と接する事が多かったように思います。

先日(外出訓練から1年2か月頃)、たまたま小学校の前を通ったところ、休み時間だったようで、柵ごしに子供たちが集まってきたのですが、それはそれは嬉しそうに興奮し、大きな声であいさつしたり、バイバイしたりと、嬉しそうにずっとしゃべっていたのです。

そのような様子は初めて見ましたので、なるべく土日祝日の昼間を狙って公園に向かったところ、やはり子供たちや保護者の方に囲まれ、そこで、初めて「バンザーイ」としゃべりながら、大きな羽根を広げて、その場を盛り上がてくれていたのです。

その動画や画像を撮っていなかったのですが、本当にうれしそうな姿は、子供と何ら相違ないほどです。

もし、家の中でのトレーニングで行き詰る事があるなら、是非外出をしてみてくださいね。きっと良い信頼関係が構築できる筈ですから。

最後までお読みくださりありがとうございました。

参考文献

https://amzn.to/4pisDIi

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