お喋りトレーニング
お喋りについては、鳥の選定や環境、実際のコンゴウインコのお喋りに分けて記事をご紹介しました。
今回は具体的なトレーニング方法についてのご紹介記事になります。
種類よりも飼い主との関係性や環境を
ヨウムであろうと他の種類であろうと、おしゃべりは個体との関係性に大きく依存します。
その為お喋りする筈の鳥が、2年経っても二言、三言しか喋らないない、というケースもあるそうです。
今、そうした状況でお困りならば鳥の生活環境や飼い主さんとの信頼関係(距離感)を整えてみるのが良いかもしれません。
ヨウムの知能や研究課程での訓練方法についてはこの著書でご紹介されています。

トレーニングの前に
お喋りと言うと言葉を繰り返し覚えさせる方法も確かにありますが、より効果的に覚えてもらう事も出来ます。
どのようなお喋りを望むか
お喋りについては、単に言葉を発するだけでよいのか、あるいは意味を理解したり状況を判断して使用してもらいたいのか、飼い主の理想によりトレーニング方法は異なりますので、まずはどのような鳥に仕立てたいのか決めておきましょう。
テレビやラジオ聞き流しは不向き
言葉を覚えてもらうために、テレビやラジオをつけてひとりにするという事はあまり効果的ではないようです。
何故ならテレビやラジオの言葉よりも人が出入りする時のドアの開閉の音を覚得てしまうからです。これは、人が入る行為(嬉しい)と、ドアの音を関連付けているのかもしれません。
私自身はハルクインコンゴウインコを飼育していますが、彼らは目に見える状況と言葉を確かに理解しています。
トレーニングの適齢
個体によって適齢は異なりますが、雛から飼うとすんなり言葉を覚えるのは、セキセイインコ、オキナインコ、ヨウム、一部の種類のボウシインコと言われています。
トレーニングの開始時期は、雛がひとり餌になる前あたりが良いとされていますので、購入を考えている時期であれば、まずは、お店に通って(週一でも良いので)、雛との交流をしてみるのも良いでしょう。
お喋りしたがっている鳥とは
お喋りしたがっている鳥には共通の特徴がみられます。
人と接っしたり、新しい物事に対して興味を持ち、頭と翼の羽根を逆立てたり、翼を広げたり、うれしい時には首を上下に激しく動かします。
目を見ると、虹彩が小さくなったり大きくなったりまさに目を白黒させ、ワクワクしているのが分かります。

まだ、お迎えする鳥を決めていないのなら、種類よりもこのようなしぐさを明白に示す鳥を選ぶ事をお勧めします。
もし、今お迎えしている鳥にこうした特徴が見られなくても肩を落とす必要は全くありません。
環境や接し方を改善すれば、必ず状況は好転するはずだからです。
挿し餌の時期は購入を避けるべき?

ひとり餌
全てのトレーニングで開始をするのに効果的な時期はひとり餌になり、ひとり遊びが可能になった個体です。
挿し餌(生後3~4か月頃)から育てたいと思うかもしれませんが、ひとり餌にする時期を間違えると、呼び鳴きを悪化させます。
また、ひとり遊びを知らない子も、今後の長い生活に暗雲をもたらす可能性があります。
個人的には、中型以上なら1歳前後で、上記に当てはまる個体を求めるのが賢明かと思います。
トレーニング方法
繰り返し言葉を教えるよりも、子供にするのと同じように話しかけます。効果的なのは、その場や状況で定型的に使用する日常的な言葉です。
シチュエーションに応じた言葉を教える
例えば、朝起きて子供の顔を見たら「おはよう」と言うように、鳥にも話しかけてください。
夜間リラックスできていれば、朝に聞く言葉は入り易いので、自然に覚えてくれるはずです。
また「おはよう」と言いながら好物の餌を与えます。
「おいしい」と言う言葉も頻繁に使われる言葉です。この言葉は、餌を食べている間に、「おいしい?」と聞いたり「おいしいの、良かったね」と言う風に教えます。
好物のおやつを与える時にも「おいしいの食べる?」と聞いてから与えてみましょう。
お喋りトレーニングも餌を関連づけて教えると、スムースに覚えてくれます。何故なら好物の餌をもらおうとする時は一生懸命になって、意思を伝えようとするからです。
好物の餌を網もらうために「おいしい?」と言ったり、飼い主さんが食べている物に興味を持ったり、分けてもらおうと「おいしい?」と聞いてくるようになるでしょう。

個性豊かな表情を見せてくれるコンゴウインコ(ハルクイン)
話し易い言葉を選んで教える
話易いと言われている言葉は、語尾を延ばす音、「アイラブユー」「かわいい」「おいしい」や短い音「はい」などです。
初めに覚えるのはよく耳にする挨拶や自分の名前かもしれません。
鳥の真似をする
鳥が発する声を真似てみます。
お喋りしたがっている鳥は、意味不明な言葉、不明瞭な言葉で一人ぶつぶつ話し始めますが、これは進歩の現れでもあります。
一緒になって同じ言葉を話してみましょう。
何人かで遊びながら
飼い主と1対1ではなく、二人以上で会話ができる場所へ連れ出します。特に公園は子供たちも多く、好奇心旺盛な鳥にとってはうれしいようです。
また、群れを成す鳥であれば、人を仲間とみなしてコミュニケーションをとりたがるでしょう。

25年3月 お友達に囲まれて幸せそう
外の世界で様々な物に触れる
外の世界に飛び出し、草木に触れながらそれがお花である事や葉っぱである事を教えましょう。また子供たちのキラキラした眼差しは、鳥の好奇心をくすぐりますし、すれ違う人たちとのあいさつや礼儀、お礼の言葉は彼らもちゃんと見ています。
大事なのは、飼い主との距離感(信頼関係)ですので、環境や接し方が適切であれば、おしゃべりを十分楽しむ事が出来ます。
最後までありがとうございました。
参考文献


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