猛禽類の飼育と行政登録
現在、鷹匠になる為の国家試験は存在せず、一般の人がペットとして鷹やフクロウを飼育する為に必要な、特別な資格は存在しません。
ただし、一定の活動をする場合には、それが営利目的か非営利目的かにより行政への登録もしくは届け出が必要になります。
ここでは主に行政への登録や届け出が必要な場合についてご紹介しています。
鷹匠認定試験についてはこちら
鷹匠という資格自体はない
一般に『鷹狩に使役する鷹を飼育・訓練を担当する人』を鷹匠と言い、特定の資格がなければ鷹匠とは言えない、というわけではありません。
ただ認定試験と言われているのは、民間団体の会員(門下生)に行われるもので、国家試験とは異なる認定試験です。
一般の人でも、トレーニングをきちんと行えば鷹匠に弟子入りするまでもなく、使役できるのが現状です。
つまり単にペットとして鷹を飼育するだけであれば、特別な資格も行政への申請も不要です。
ですが、営利目的、非営利目的に関わらずそれが一定の活動として所有・使役する場合には、必要な行政への登録あるいは届け出が必要になります。
一定の活動には動物取扱業の申請が必要
動物愛護管理法に基づき都道府県知事などに登録もしくは届け出を行います。
動物取扱業には2種類が存在し、第一種が登録、第二種が届出になります。
※以下埼玉県公式HPより抜粋
第一種動物取扱業とは
ペットショップやブリーダーなど、営利目的で哺乳類・鳥類・一部の爬虫類を転売・保管・貸出・訓練・展示・競りあっせん・譲渡飼養の7種の業務で反復・継続して扱う事業者をさします。
動物愛護管理法に基づき都道府県知事などの登録と、動物取扱責任者の設置が義務付けられる制度です。無登録営業は罰則の対象となり、特定動物を取り扱う場合は別途許可が必要です。
登録制と条件
専任の責任者の配置と研修受講が義務付けられ、事前に自治体の審査を受けて登録が必要になります(5年ごとに更新)。
第2種動物取扱業とは
かつてはペットショップやトリミングサロンのように営利目的で動物を取り扱う事業者を指し、公営の無料動物園や動物愛護団体のシェルターは対象外でしたが、平成25年の動物愛護管理法改正により、これら非営利で動物を取り扱う団体等に対しても飼育実態を把握し、行政が適切な指示を行えるよう届け出を行うことが定められました。
届出制と条件
第一種では審査が必要でしたが、第二種動物取扱業者に対しては特段の審査は行われず、現在行っている施設や取扱数を自治体に届け出を行います。
- 大型の哺乳類・鳥類(牛、馬など)および特定動物:3頭以上
- 中型の哺乳類・鳥類(犬、猫、うさぎなど)、爬虫類:10頭以上
- その他の小型動物:50頭以上
- ※個人の家庭で少頭数を飼養している場合は対象外です
飼育上の注意事項
猛禽類は他の鳥のようにあまりケージの中で管理をせず、鷹部屋などの専門部屋か、室内の一角でパーチに係留させます。
いずれにしてもシーズン中はリーシュと言う紐につないで止まり木に係留します。
鷹の飼育は専用の鷹小屋?

幼鳥期にしか見られないアヒル寝姿は本当に尊い
必ずしも鷹小屋を用意しなければならないと言う事はありません。
私は2022年に雄の鷹(6か月のハリスホーク)を1羽購入し住宅街で、かつ部屋の中で現在も飼育しています。
稽留時の注意事項
鷹小屋だろうと、室内飼いだろうと、基本的には鷹はフライト以外はリーシュなどで止まり木に係留させておきます。
紐で稽留されて自由に動けないのはちょっとかわいそうな気もしますが、これにはもちろん意味があります。
鳥類に限らず、普通動物には縄張りを持つ習性があります。
縄張りは、食事をしたり、生殖をおこなったり、仲間と毛繕いしあって信頼関係を育む、彼らにとってとても重要な生活の場です。そのため縄張りを侵害しようとする者に対しては容赦なく攻撃を仕掛けてくるのです。
一般に飼育下で縄張り意識を持ちやすいのは、2方向以上囲まれた場所や室内での放し飼いです。
室内での放し飼いが当然になると部屋全体を縄張りとみなし、飼育者さえ襲われる場合もあります。
その為、鷹であれば鷹小屋でもリーシュで止まり木に稽留させておかなければならないのです。
鷹の訓練で重要な事

ルアーキャッチ
普段紐で稽留させられ自由にならない分、外での訓練は、テンションが上がるように、餌を変えたり、ルアーを振ったりして興味を駆り立てるメニューをこなし、しっかり飛ばしてあげましょう。
訓練で大事なのは常にメリハリを持たせる事です。


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