紐の連結と金具の選び方
鷹のフライト訓練ではひも付きで練習をしていても、適切な道具を使用していない場合には紐が外れてロストにつながる場合があります。
その為、ロストや事故を起こさない為の道具の管理も練習の重要なポイントと言えます。
連結金具の種類
不適切な金具
使用しない方がいいのは、ナスカンやカラビナです。カラビナはロック式のものであれば使用は可能ですが、連結には必ずスイベルを使用しましょう。

ナスカンは使用しない
カラビナは使用しない

スイベルが安全
使用するならロック式を
猛禽を係留する場合、通常は鷹匠結び(ファルコナーズノット)をして止まり木に固定するため、金具は使用しません。
ただ、鷹匠結びが出来ない、または面倒なため、フック式の金具を用いて簡易に済ませる事がありますが、非ロックタイプは外れる事があり不適切なため、使用するのであればロック式の物を使用します。
金具を使用する場面の適正
紐を連結する場面は限られていて、止まり木やグローブに係留する時、ガイドを使用したひも付きフライトトレーニングを行う時です。
係留は、基本的にはファルコナーズノットが安全ですが、唯一金具を使用したい場面があります。
それが紐付きのフライトトレーニングで猛禽の行動制限をしなければならない場合です。
紐付き訓練のガイドに通す場合
紐付きのフライトトレーニングでは、ガイドを使用する事をお勧めしますが、この場合、ガイドに通すフックはロック式を使用します。

ガイドを使用して行動制限を

カラビナはロック式を使用
この点の注意事項については、『鷹の初期訓練~ひも付き訓練での注意事項~』でご紹介しています。
グローブのDリングにかける場合
グローブのDリングにフック式の金具を使用すると、手間が省けて付け外しは便利です。
据えではリーシュの部分をしっかり持っていれば問題はないかもしれませんが、グローブから降ろして係留する場合は非ロック式は不適切と言えます。

グローブのDリングにフックで固定。画像は非ロック式。
※現在はファルコナーズノットで固定し、金具は使用していません。慣れると簡単に出来、何より安全ですので結べるようにしておきましょう。
リーシュのスイベルにフックは不適切
お迎えから間もない頃は、使用する金具について安易に考えていました。
係留時の手間の省略からリーシュを外して小さいフックを使用していたのです(写真下)。

2023年6月:スイベルに小さいフック
私の失敗:ベランダに稽留中フックが外れロスト

スイベルに小さいフックをつけるのは危険
ある日、天気が良かったので練習前にベランダに係留し、室内の掃除や洗い物をしていた時でした。
窓を開けて姿は見えるようにしていたのですが、流しで洗い物をしていた数分間目を離した隙に、フックが外れて見失ってしまったのです(ロスト)。
当時はひも付き訓練中であったため鈴をつけておらず、物音もしなかった為飛び立った事に気づきませんでした。
ロストした場合、目の前で飛んで行った場合は、どの方向に行ったかを確認すれば探す手がかりになりますので早く見つけてあげる事が出来ます。
ですが、目を離した隙に飛んで行った場合には方角が分からない為、辺り一帯を探さなければなりません。
私はその日は出勤前でしたので捜索する事が出来ませんでしたが、幸いにも、翌日には普段の練習場所周辺で、怪我もなく無事に見つける事が出来ました。
後から近所の方から聞いたのは、自宅近くの電柱に留まっていたとの事でしたが、徐々に遠くへ行ってしまったようです。
係留時の不適切な道具
係留にはフック式の金具は不向きである事をご紹介しました。
私はその失敗から、ベランダの係留には二重環を使用してそれにスイベルを通して、リーシュで留めていたのですが、二重環をつけていた結束バンドがいけませんでした。

不適切な係留方法

結束バンドが切れた
ベランダの柵に人工芝を結束バンドで固定し、係留用にスイベルを通した二重環も一緒に固定をしていました。
ところが、特に劣化が激しかったわけでもなかったのですが、この結束バンドが切れてしまったのです。
この時も、トレーニング前だったこと、傍で見ていた事で安全に回収できましたが、紐をつけた状態で鷹を飛ばすことは極めて危険な為、係留時の事故が最も危険が潜んでいると言えるかもしれません。
鷹の飛び立つ力は想像以上に強いものです。
日ごろから道具のメンテナスをして不具合があれば早急に対処できるようにしましょう。


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