手乗りトレーニング
インコやオウムの飼育では、雛の内から飼わなければ手乗りにはならない、と思われる方も多いかもしれません。
実は、成鳥になってからでも手乗りにするのは可能です。
手乗りになると生活は豊に
手乗りになると行動範囲が格段に広がります。これは、鳥が社会性を身に付ける事の一歩でもあり、飼い主との信頼関係を深める事の出来るスキンシップでもあります。
成鳥でも手乗りにする事が出来る
時間はかかりますが、基本を押さえていけば、成鳥からでも手乗りにする事が出来ます。
今回、成鳥前の1歳になったハルクインコンゴウインコにトレーニングを入れましたので、その様子を後程ご紹介いたします。
荒鳥も手乗りになる
荒鳥とは、なかなか人に懐かず、人が近づくとケージの中で暴れたり、触れようとする者に容赦なくかみつく鳥の事を言います。
この様な鳥は、幼鳥期にしつけや訓練をされなかったり、飼育放棄、虐待を受けるなど、何等かの問題を抱えたまま生活してきた可能性が高いようです。
基本メニューはステップアップ
私はコンゴウインコ飼いの為、このブログも中型以上の鳥を前提にお話していますが、以下の事がスムーズに出来れば手乗りが完成したと判断で切ると思います。
- 手乗りの状態で訓練食以外を食べる事ができる
- 訓練食がなくても長時間、手乗り状態を保持できる
- 手乗りで訓練者が移動(歩行)する事ができる
- 止まり木から手へ、ケージから手へと一回で移動できる(ステップアップ訓練)
※ステップアップトレーニングの詳細についてはインコ・オウムの基本のトレーニング~ステップアップ~でご紹介していますが、特に重要なのは、その意義でもありますので、是非一度読んでいただければと思います。
この4点がスムーズにできるようになったら、ケージに速やかに戻すなど次のステップへ移ります。
手乗りトレーニングは、手の上が最も安全であると教え込む場ですが、鳥にとって手乗りの状態は最初はかなりの恐怖を伴うようです。
特に慣れない飼い主が行うトレーニングは、鳥の脚と訓練者の手の位置、鳥の乗せ方やタイミング自体が未熟である為、鳥は不安定な状態に置かれます。
手に乗ったからと安易に手の位置を動かすと、それが未熟であった場合は鳥を落としてしまう事もあります。
その為、手の上で安定した状態の確保を確実にできてから次の段階へと進みます。
最初は地味なトレーニングですが、重ねるごとに訓練者自身も上達し、鳥も安定した姿勢を保つようになります。
特に手の上でくつろぐ様子が見られるようになれば、トレーニングは一層はかどります。
手乗りにした方がいいの?
私個人としては、寿命の長い中型以上の鳥ほど手乗りトレーニングは入れるべきだと思います。
何故なら、トレーニングを入れる事でハーネスやリードをつけて外へ散歩に出かける事が出来、人に接する機会が増え、自然に社会性を身に着けられるからです。
また外でトレーニングが出来れば、鳥との信頼関係関係をより一層深める事が可能になります。
何よりトレーニング課程の一つ一つにはそれぞれ意味があり、飼い主がそれを守る事で、飼い主自身の鳥への接し方が修正でき、いわば飼い主の為のトレーニングにもなるからです。
トレーニングを通じて人(他者)との社会に慣れた鳥は、将来どのような環境に置かれても、そのおかげで速やかに順応できるようになります。
トレーニングが思うように進まなければ、飼い主が先に自信をなくし、いっそ飼い主にだけに慣れてくれればいいと思う事もあるかもしれません。
ですが中型鳥の寿命なら30年以上、大型鳥であればその寿命は50年~80年以上とも言われています。
となれば飼い主との別れの日はある日突然やってくる事は、決して他人事ではありません。
次の飼い主を迎える必要が生じたときに、今と変わらず、いえ、それ以上に幸せになってもらう為にも、鳥のしつけやトレーニングは、飼い主の義務と言える時代になったのかもしれませんね。
手乗りトレーニングの実際
ここでは、コンゴウインコの幼鳥を用いて手乗りにした過程をご紹介いたしますが、小型の鳥でも手乗りにする為の基本は同じになります。
ご紹介するコンゴウインコは、トレーニングを始める前は手を出せば噛みつくような個体でしたので、本当にトレーニングが入るのか、いつになったら手乗りにする事ができるのか、私自身とても不安でした。
ですが、どのような本を見ても、信じて気長に根気よく行う、とありましたので過大な期待は持たず頑張る事にしました。
トレーニングの概要
トレーニングメニューは、鳥の大きさに関わらず同じものになり、基本的には餌を与える距離を詰める事で、手や腕に自然に乗るようになるまで行います。
訓練であることを伝える
またトレーニングをするときには、「ステップアップ」と言って、トレーニングであることを伝えましょう。
ステップアップ
小型~中型鳥ではケージの中に手を差し出して、ケージ内で手に乗る事を最初に覚えさせ、ステップアップとして手から止まり木へ、止まり木から手へ、手から手へと移るように練習します。
一方大型鳥の場合はケージ内ではなく、ケージの外で訓練を行いますが、可能ならケージの見えない別の場所で行います。
これは、ケージの見える場所や見慣れた場所では、縄張り意識を持ち、攻撃性が高くなる為です。
トレーニングに挑戦する個体を紹介
- 購入日:2024年4月22日
- 年 齢:11か月(推定)
- 名 前:サファイア
- 性 別:男子
- 給 餌:一人餌。人から餌をもらうことは可能
- 性 格:荒ぶれ者 警戒心が強い=無駄鳴きはしない
- 趣 味:かじること
- 身体上の問題:羽根破壊行為やストレスハンガーのマークあり
コンゴウインコとは

手作り玩具にはおやつの胡桃。これが大好物
ハルクインコンゴウインコは、ルリコンゴウインコと紅コンゴウインコを掛け合わせてできたコンゴウインコで、前頭部の毛の一部は赤いですが、頭頂部から肩にかけては緑色で、風切り羽根から尾羽根は青、胸はオレンジ~赤色になり、羽根の内側は黄色と何とも派手なインコです。
コンゴウインコの中でもハルクインコンゴウインコは特に大きく、世界最大とも。
コンゴウインコの種類は豊富で、現在はハイブリッド種も多くあり、ハルクインコンゴウインコや、カタリーナコンゴウインコ(ルリコンゴウインコ×アカコンゴウインコ)はその代表と言えます。
トレーニング前の身体状態
サファイアは、もともと狭いケージで飼育されていたそうで羽根の状態がとても不良でした。
こうした脆弱な羽根では、飛行に影響が出ます。
初めての手乗りトレーニングと準備
手から餌を食べる事ができる

お迎え当初のサファイア
まずは、人から餌を食べる事ができなければなりません。
もし初めて手から与える場合にはまずは親指と人差し指でつまんだ餌を食べる事ができるようにします。
それが慣れたら手のひらに餌を置いて食べられるようにし、手への恐怖心がなくなるようにします。
これができると、トレーニングはスムーズになりますので最初の関門と言えます。
ご褒美の餌は大好物を準備。
トレーニングでは、まず、大好きな餌を使用します。手乗りトレーニングに関わらず、基本は餌で釣る事です。
大好物は、何種類かを見せて最初に食べ始める物です(単純で良い)。
トレーニングは鳥も人間も楽しみながら行う事が望ましく、一つの行動が出来れば、ご褒美のおやつをもらえる、ほめてもらえるという事を教えます。
ただインコにとって種子の与えすぎは脂質過剰になりますので、ある程度進んだら与える量は減量します。
トレーニング方法に固執しない
トレーニングを進めて行くとうまく行かない時がありますが、その時は、方法を変更するなどやる気が起きるような工夫をします。
またその日の訓練を終了する場合は、必ず命令をこなした時にし、パニックに陥らない限り、きちんと命令に従うまでは元の場所に戻さないようにします。
トレーニングの記録
まずは、縄張りであるケージの外に出し、そこで餌を食べる事が出来るかを見ます。
5月2日:訓練初日
訓練は、別の部屋にしましたが、部屋から部屋への移動はキャリーケースを使用しました。
この時期、私にはまだ移動できる術がありませんでしたのでキャリーに乗せるしかないのですが、これは、キャリーケースに慣れてもらうという意味もある為、併せての訓練になります。
サファイアは窓のサンに乗りたがるのでそこで、ひまわりを与えるようにしました。
初日、初めての部屋でも幸いパニックもなく餌を食べる事が出来ました。
左腕に乗ってもらう事を考えていた私は、当初サファイアを私の左腕の外側に配置して餌を与えていました。
ですが、私の思惑とは裏腹に私の腕に足をかけるような事はなく、その日は首を伸ばして餌を食べるだけで終了しました。
5月3日:訓練2日目 頸が届く位置に餌を差し出す
サファイアは人の手から餌をもらう事はできたのですが、人に触れられる事をとても嫌がる子で、手を出そうものなら噛みつこうとします。
その為最初にする訓練はまずは、自ら私の手に足を乗せる事ができるようになることでした。
初回と同じように行いますが私の腕や手に足をかける事はありませんでした。
更に、首が届かない位置ではもはや餌を食べようともせず、後ずさりするなど私の傍を離れたがるようでした。
私自身、噛みつかれることへの恐怖からあまり無理な事はせず(できず)、とにかく私の事を好きになってもらうにはどうしたらいいのか不安に思う日々でした。
この日も到底体に触れてもらう事もなく終了せざるを得ませんでした。
この状態が数日続きました。
5月10日:訓練8日目 私の体調不良でトレーニングを中止
この日私は喉の痛みを自覚したのでインフルエンザ若しくはコロナ感染が考えられ、早々にマスクを着用する事にしてトレーニングを中止する判断をしました。
体調が悪いと感じたら、マスクと手洗い・手袋着用を励行して、素早くケージに餌をセットして部屋を立去ります。
5月11日発熱:病院に行きコロナ感染確定
私はコンゴウインコの他に、鷹を1羽所有しフライトトレーニングを行っています。
鷹にしろコンゴウインコにしろ、そうそう近所の動物病院で診察、という訳には行かない(特に猛禽類はなかなか診てもらえない)ので、彼らの健康への配慮は細心の注意が必要です。
コロナは症状が治まっても隔離期間が明けるまでは人に接する事ができません。そのため一応鳥にも同じように対応しました。
この機会に購入して放置していた止まり木を組み立てる事が出来ました。

一方でコロナによりトレーニングを中止した事への影響がどのように出るか不安にも思っていました。
5月17日:訓練10日目(訓練再開) 手の上で餌を食べる
当初止まり木をすぐに使用するつもりでいましたが、サファイアとのコミュニケーションが全く取れず、到底使用できる状態でもなかったので、どのように進めたら良いか常に色々悩んでいました。
とは言えトレーニングを再開しなければなりません。
17日もいつもの様に窓のサンに乗りたがるので、そこで餌を与えていましたが、この日初めてサファイアが手の上にずっと乗って餌を食べてくれました。

夢中になると手に触れる事はあってもずっと乗っていたのは初めて
訓練の中断によって好物のひまわりを食べられなかった事もあるかと思いますが、この日にいつもと違ったのは、サファイアを私の右側に置いて訓練をしていた事で、それが一番良かったように思います。
実はこの日もサファイアが私の左側へ来るようにしていたのですが、この日の私は本当にこの子が手乗りになるのか訓練への迷いから、右手側に来ていたサファイアの位置を直す意欲もなくそのまま餌を餌を与え始めていたのです。
餌を食べ始めたらいつもの様に少しずつ、腕に乗るように餌を嘴から遠ざけました。
すると開始から間もなく左手に乗り始め、それを維持しながら次の餌を食べるようになりました。
ずっと手に触れていたのは、この日が初めてでしたので本当にうれしかったです。
サファイアにしてみると、私の左側から左腕に乗るのは、高さがある為難しかったのかもしれません。
手に乗る事ができるようになってもこうした状態が定着するように、2~3日は同じように手の甲にのる練習を行い、徐々に変化を与えていくことにしました。
5月21日:訓練14日目:腕に乗る
手の甲に乗ることができ、サファイア自身が私の腕に対する恐怖心が軽減したようでした。
部屋への移動は相変わらずキャリーケースを用いましたが、出すときにはトップに上がりたがります。
その為この日は私は床に座って、キャリーの上でトレーニングをすることにしました。
トレーニングが進まない時は、何等かの問題があると思いますので、向きを変える、高さを変える、餌を変える、場所を変えるなど方法を変えると良いでしょう。
5月27日:訓練20日目 止まり木から初手乗り
これまでのトレーニングでは私は床に座り、窓のサンやキャリーケースの上に腕を置いて、サファイアを腕に乗せるようにしていました。
が、ここで新たな問題が出てきました。
何しろ世界最大のインコと言われるハルクインコンゴウインコは体重1.1Kgです。不安定なインコを腕に乗せた状態では、私が立ち上がる事が出来なかったのです。
その為組み立てた止まり木(ステンレスケージ)を使用する事にしました。
本来トレーニングはケージの見えない部屋で行うのですが、移動手段をまだ持てない私は、ケージから手に、手から止まり木に移す事すらできません。
なので、ケージの傍に止まり木を置き、サファイア自身に直接止まり木に移動をしてもらう事にしました。

訓練初期:
止まり木は幸い滑車付きなので、移動後はケージから離して訓練を行いました。
ケージの高さに合わせて手を添え、少しずつ餌を離す
腕に乗りやすい高さは、現在留まっている場所と同じ高さ、同じ位置です。
片足に続き、両足を乗せますが、不安が強い場合にはすぐに片足を止まり木へともどし、何度となくその動作を繰り返しました。
これは鳥が不安に思っている証です。
ようやく両足を乗せたとしても重心が悪い場合には訓練者はアクションはせずにじっとしています。

両足が乗りましたが、重心が悪い

両足の位置が直りました
餌を与える間が空くと手から降りようとするため、食べている最中に好物を見せ夢中にさせます。
少しずつ、バレないように上に持ち上げ、餌を与えます。降りる時もバレないように下ろします。
この時そこが安全かどうか強く不安に思っています。
持ち上げるときの注意
鳥が片足をかけたときに腕をひょいと持ち上げればもう片方も乗せるようにも思いますが、この時はまだ腕への信頼はないため不用意に腕を上げてしまうと、人の手を怖がるようになるので、まずは、揺れたり不安にさせないように訓練者はじっとしています。
これを何日か繰り返すと、次に必ず両足を乗せてくれます。
実はこの日初乗りに成功したことで調子にのった私は、翌日、軽い気もちで持ち上げようとして失敗をし、畳の上にサファイアを落としてしまったのです。
幸い怪我はありませんでしたが、鳥は私たちが思う以上に慎重なのだと知り、以後、焦らずに練習を進める事にしました。
止まり木から離れた位置で手に乗る事ができる
安定した状態で手の上に乗る事が出来たら、次のステップである、少し離れた位置からでも足をかけて、移る事が出来るようにしました。
これは、止まり木に手を寄せるとすぐに止まり木に戻ろうとするため、少しでも戻りにくい状況を作る為にしていました。
最初は片足から指や腕に乗れればそれで成功です。焦らず、片足が乗ったら必ずご褒美の餌を与えます。
5月30日:訓練23日目 自ら足を乗せるように
私の手を恐れていたサファイアでしたが、この頃になると、足を出せば餌をもらえると学習をし、私が腰の餌入れに手を当てると右足を私の腕に乗せるようになりました。
こうなると私自身、訓練への自信がついてきます。
このまま止まり木から離れた位置に腕を出し、簡単には引き返せないような位置で手に乗る事に慣れさせる訓練を継続しました。
6月1日 訓練25日目 室内を移動する事ができる
止まり木から手へ、手から止まり木へと行って、安定した状態が保てたら、室内を歩行して移動します。
ゆっくり、餌を与えながら室内を歩きますが、この時サファイアは移動している事を認識していたようです。

手乗り訓練25日目:室内の移動ができる練習
両足に力が入りますが、餌を食べる事に夢中になっていたので室内を歩く事が出来ました。
6月8日 訓練33日目 手乗りを移動手段と認識?
いつもは餌を一つ食べるとすぐに次の餌を催促してくるのですが、この日は催促をせず、ケージの方に行きたがったように思えました。
なので、そのままケージに腕を近づけるとそちらに行きました。
好物の餌を食べる為だけに乗っていた私の腕を、サファイアが移動手段として初めて認識したのかなあと思いました。
移動手段を持つと行動範囲は大きく広がり、外出する事も可能になります。そしてこの外出こそ大きな意義があるのです。
移動する為に飼い主の手を必要とする行動的依存は、飼い主を必要な存在と知る事でもあり、信頼関係を構築する上では重要な要素になります。
特に、外という見知らぬ場所、見知らぬ人、見知らぬ乗り物がある環境では、『頼れるのは唯一、飼い主だけ』と思い知らされるので、信頼関係の構築に大きな影響を与えるます。
6月17日 訓練41日目 部屋から部屋へ移動する事ができる
いよいよ部屋から部屋へ移動するようにしましたが、この時期の訓練はかなりスローペースで進めていました。
理由は、まだ外へ行く事ができない為焦る必要がなかったのです。
手乗りが安定しても、街中では車のクラクションや飛行機の音、また子供の声といった不意の騒音から驚いて、逃げようとして飛び立つ恐れがあります。
その為外へ行くには必ず安全確保のためにアンクレットやハーネスなどをつけなければなりません。
たとえクリッピングをして遠くに飛ぶことができなかったとしても、車道やアスファルトに落下をすれば身体の損傷を免れません。
※クリッピングとは、飛べないように羽根をカットする事。しっかりクリップしても驚いた時には十数メートル飛んでしまいます。
サファイアは、この頃手に乗せる事は出来ても、いまだ身体に触れようとすれば嫌がって噛みつきます。
加減はしているようでしたが私には恐怖感がありましたので、ハーネスもアンクレットも私が一人で装着する事は出来ませんでした。
※ハーネスを装着し外出できるようになったのは、10月1日、お迎えから約5ヶ月弱の事です。
6月22日 訓練46日目 2階から1階へ階段昇降
順調にトレーニングが進み、初めての階段昇降はとても静かにすることができました。
が、実はこの日、私はサファイアが落ち着いて階段昇降ができたと思っていたのですが、翌日の同じ訓練では羽根を広げて警戒していたので、初日の落ち着きは単に未知なる事象への恐怖のあまり、身動きが取れずにいただけかもしれません。
幸い、パニックになってバタつく事はなかったので、階段昇降を毎日の日課にしました。
この頃は、カメラをスタンドに立てていたので、サファイアを左手に持って、他の物を持つ、という事が出来なかったのです。
現在は、脚立くらいならサファイアと同時に持てます。
手乗りができなかった頃は…
お迎えから1か月後、検診のため初めて車で外出をしたことがありました。
当時はまだサファイアを腕に乗せて階段昇降ができなかったので、まずはケージのある2階の部屋で大きなキャリーケースにサファイアを入れてから1階へ運ぶしかありませんでした。

ケージに入れる際も、扉の前にサファイアを誘導するのですが、触れることが出来ない私は衣装ケースの蓋で誘導し(追い詰め)ながらです。
また階段から降りる作業は一人では到底不可能でしたので姉に協力を得て二人がかりで降ろしていたものです。
訓練の振り返り
階段昇降ができるようになったころには、ケージトップであろうと、止まり木であろうと、腕を差し出せば1回で腕に乗るようになりました。
彼も私も、手技に自信がついたのです。
警戒心が強い子でしたので、もっと時間がかかるかと思いましたが、手乗りトレーニングは意外とスムーズにできたのではないかと自分では思っています。
人や場所が変わってもパニックを起こさない、この事はトレーニングを入れていく上でとても重要な要素です。
何故なら、このような個体は協調性を備えており、もともと社会性があり、どのような場所でも訓練が入ると言われているからです。その意味でもこれからが楽しみです。
とは言え、油断をすると『魔の2歳児』を迎える事になるので中型以上のインコ飼いは要注意です。
トレーニング中のリフレッシュ
毎日のトレーニングはたとえ数分でも日課にし、継続することが重要です。
ただ訓練ばかりではお互いが飽きるので、遊びの要素を変えて時々リフレッシュすることをお勧めします。
私は、手乗りトレーニングにわずかな嫌気を覚えてしまったことがありました。
これは、サファイアは餌を食べ終わるとすぐに次の餌を催促してきますし、ないとわかると腕から降りたがり、こうした事に私が心の距離を強く感じてしまったからです。
私の腕でリラックスしてくれない、そのことがとても寂しかったですし、これから暮らしていく事へのわずかな不安になったのです。
そこで、ある日、私は早々にトレーニングを終え、サファイアのおもちゃとして河川敷で拾ってきたクルミを、サファイアが留まっている止まり木ケージの近くで、ボールに入れて洗っていました。
すると、ケージにいたサファイアが私の傍に降りてきて洗っているクルミでいたずらしたり、ボールの中の水(洗い終わったものを入れる綺麗な方)を飲んでいたのです。

玩具づくりを始めると、自ら傍に来るように
止まり木やケージトップなどは彼にとって最も安全であると思っていた私は、そこから降りてくるとは思っていなかったので、本当に驚きました。
私が思うより、サファイアにとっての私はそんなに嫌いな存在ではないのかなと、少しほっとした出来事でした。
コンゴウインコはもともと好奇心旺盛な生物の代表でもありますので、興味を引いたのだと思いますが、好きな事をさせたあげたり、同じ空間で戯れる事もまた、信頼関係を築く近道なのかもしれませんね。
終わりに
手乗り歩行が完全にできたらいよいよ外での訓練に行きたいと思っています。
何しろ、外出する事は信頼関係を構築する上でも重要な事だそうですから、私としては早く外出をしたいと思います。
最後までありがとうございました。






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