鷹匠になりたい~鷹道具・必要物品~

鷹匠になるには 訓練 鷹匠
お迎え当初

鷹を飼う場合に用意するもの

通常、①お店で生体を見て、個体の購入を決め、②お迎え日の予定を立てて、③その間に部屋(係留スペース)を準備し、④お迎え という流れになります。

個体の購入を決める

生体の購入は専門店で

一般に、鷹やフクロウなどの肉食の鳥類は猛禽類と呼ばれ、生体の取り扱いをするお店も限られてきます。

稀にホームセンターにフクロウや鷹(ハリスホーク)を販売している事があります。

ただホームセンターでは一定期間内に買い手が見つからなければ、売れ残った子はお店を転々とするそうなので、専門スタッフの手厚い指導を受ける事はまず出来ないと思った方が良いでしょう。

その為猛禽類専門店でのご購入が通常かと思いますが、これもまた近所にそうそうあるものではなく、店舗も限られてきます。

私がそうでしたが、お店が県外か、県内でも遠いい場所にしかありませんでした。

そのため、買い忘れがあると改めて時間を作って出向かなければならなかったり、郵送も送料負担など、時間もお金もかかる事は最初に受け入れておきましょう。

お店はどこを選ぶか

また、この記事を読まれる方は初めての購入をお考えの方かと思いますが、遠いい場所で、かつどのお店に行けば良いのか、とても迷う所かと思います。

私は鷹を見に行くと決めた時、近い場所から順にお店に電話をしたりメールをしたのですが、なかなかリアクションがありませんでした。

その何件目かでご連絡したお店が、早いタイミングでご返答があり、すぐにお店への訪問予定を立てる事が出来たのです。

それが『~エキゾチックアニマル~鷹の庵』さんでした。

私が『鷹の庵』さんを選んだ理由と良かった理由

当時、私は鷹のお迎えをすると決めていたので、迷うことなくこのお店で購入するつもりで訪問しました。

車で高速を使用して1時間ちょっとですが、すぐに連絡が取れるという点が、初心者の私には何よりも心強かったのです。

詳細は後日投稿しますが、私は実は、飼育9か月目ごろにロストをしたことがありました。

その時にすぐにご連絡がついてアドバイスの元、翌日には無事に保護する事が出来たのです。

今だから言えるのですが、猛禽類の飼育は専門性が高いので、注意していても、初心者では使役の未熟さから様々な不測の事態は起こり得ると思って間違いありません。

なので、すぐに連絡が付くと言うのは優先的条件の一つにする事をお勧めします。

前出のお店は、ご連絡をすればすぐにご返信くださるのは、飼育3年目の現在でも変わりありません。

このように、鷹と生活をしていく上では、購入元の方と長いお付き合いになると思いますので、最低でも以下の点は選定ポイントにしておきましょう。

  1. 不測の事態にはすぐに連絡が取れる
  2. お店の方との相性(特に自分に合うかどうか)

前出のお店はご家族経営で、とにかくご信頼しています。

接客は丁寧で、訓練時には厳しい(客の指導は優しい)店長、優しく可愛い奥さん(特に好き)、そして猛禽3兄妹(賞レースで優勝の常連)は私が尊敬する鷹匠たちです。

購入する物はチェックリストを作成

自分の経験を基に、最初に準備しておけば良かった物や不準備で失敗した事を踏まえ、一覧表を作成しました。参考になれば幸いです。

鷹道具・猛禽類

専門店で購入しなければならない物は出来るだけお迎え時にまとめて購入

お迎え前・お迎え時・後日に分けて

近所ですぐに購入できないようなものもありますし、専門店での購入は思った以上に値が張ります。

なので、生体の購入を心に決めた時からチェックリストを作り、どこで買えるのか、初期費用はどれくらいかかるのか確認してみるのも良いかと思います。

基本的には購入を決めた時にお店の方が助言下さるので、それに従うと良いと思います。

使用方法の詳細は後述しますが、まずは、使用する物をリストアップしてみましょう。

お迎え前に準備すべき物

通常鷹の飼育は、ケージを使用したり、放し飼いにすることはせず、パーチや止まり木に係留させます。

その為、お迎えから帰ってきたらすぐに係留できるようにします。

  1. 鷹小屋・鷹部屋若しくは係留スペース
  2. 止まり木・パーチ・ファルコンブロック
  3. 人工芝(架垂や止まり木に使用)
  4. 大型のキャリーケース(輸送箱がない場合)
  5. 体重計・体重計用パーチ
  6. フン対策 ※フンを飛ばすので予め準備しておくことをお勧めします。

お迎え時に準備できる物

生体に付属している物や訓練用の小物で、お迎え当日に持ち帰る事が出来る物です。

  1. 輸送箱
  2. グローブ(ジェス・リーシュ)
  3. 鈴 ※必ず猛禽専用の鈴を使用
  4. クリアンス
  5. 餌入れ※釣具店での購入可
  6. ルアー

後日ホームセンターで用意できる物

  1. 水浴び用の水桶(コンテナ)
  2. 空気清浄機(必需品ではないので好みで)

お迎え前に準備するのが望ましい物

大きな物はかさばるので、可能な限り最初に準備しておくことをお勧めします。

特にパーチ類は重いので予め部屋に設置しておいて、生体を迎えたらすぐに係留できるようにします。

鷹小屋・鷹部屋・係留スペース

鷹の飼育には鷹部屋や鷹小屋などがありますが、これらは必ずしもなければならないものではありません。

鷹部屋と鷹小屋の違いは、鷹部屋の方がより立派な物になります。

鷹匠になるには 鷹小屋

知り合いの鷹さん。手作りの鷹小屋で悠々自適に。

私自身、鷹を飼うのであればやはり特別な小屋を用意すべきかと思い、当初数年間は飼う事が出来ませんでした。

ですが色々調べた結果、室内で飼っている方もいる事が分かり、集合住宅でお迎えをしました。

購入当初から2年ほどは、リビングの一部にラックを置いて、そこに稽留させていました。※自作の止まり木は要注意(後述)。

鷹 猛禽類 飼育環境

初めてのお迎えは集合住宅のリビングで

止まり木の位置

一般的に鷹部屋や鷹小屋では、横木式の架(ほこ)を設置します。

架は、止まり木、止まり台の事で、丸太や2×4材(ホームセンターで買える材木)を壁から壁に渡します。

止まり木の位置は、作業がしやすい範囲で、鷹が人を見下ろせるようになるべく高くした妥協点にします(参考文献:ザ・猛禽類)。

一般には小屋なら床140~150cmくらいと言われています。

重要なのは、架には必ず架垂(ほこだれ)をかける事です。

架垂とは

鷹の室内飼育 架垂 稽留

これは外でのポータブル用の係留。

架垂は、ホームセンターで買える人工芝(90cm×180cm)を止まり木にかけ、床上まで垂れさがる状態にし、基本的には四隅を固定してピンと張った状態にします。

これには2つの意味があります。

一つ目は、ぶら下がり事故を防止する事です。

通常鷹は止まり木に係留させていますが、何かに驚いた拍子に飛び立とうして、時に足場を踏み外す事があります。

その時にぶら下がる事があるのですが、架垂があればそれをよじ登って止まり木に戻る事ができます。

また、2つ目は、鷹が止まり木に紐を巻きつける事を防止する為です。

ただの丸太に稽留させた場合、下に降りた(落ちた)時に反対側から戻る可能性があります。すると、丸太に紐が巻き付いてその分紐が短くなり、これを繰り返されるとといずれ身動きが取れなくなります。

その為架垂をかけておくことで、反対側から戻る事を防止できるのです。

パーチ・ファルコンブロック

稽留させる道具は止まり木の他、パーチやファルコンブロックなどがあり、ハリスホークや一部の猛禽類は、これらを部屋の一角においただけでも十分飼育する事はできます。

鷹道具 猛禽類

お勧めはボウパーチ

鷹匠になるには フリーフライト

塩ビ管のパーチは8000円くらい。

止まり木は、鷹が立っている時に、最低でも尾の先端が床に着かない高さにします。

上記写真の止まり木は高さが不適切でした。

このような不適切な高さの場合、尾と床の接着した部分で変形をしたり、常にフンが付着するなど問題が生じます。

その為、後に高さを足しました(下図参照)。

鷹匠になるには 鷹道具

高さを足して尾が下につかないように。リラックスポーズの休めの姿勢

パーチとファルコンブロックの違い

(ボウ)パーチ:猛禽類を安全に稽留できるアーチ型の止まり木です。尾を美しく保ち、かつ落下による宙づりや反対側からの戻り防止ができる為安全と言えます。ただし、生体の大きさとサイズが合わない場合には、事故が起こる可能性があるそうです。

ファルコンブロック:パーチより高さがあります。止まる場所は丸い台に人工芝があしらわれ、一見お洒落な止まり木になりますが、安全性は上記の点でパーチに劣ります。

掃除を考えるならボウパーチがお勧め

猛禽類はうんち💩をするとき、お尻を上にあげて後方にフンを飛ばします(この姿は何とも可愛い)。

所がこれが、非常に遠くまで飛ぶのです。

なので、掃除を考えるとファルコンブロックよりもパーチの方がお勧めです。

何故なら、丸いファルコンブロックを使用した場合、鷹は360℃体の向きを変えられる為、結局あらゆる方向にフンが飛んでいく事になり、汚れる範囲が広くなるからです。

その点、パーチのように一文字であれば、少なくとも前後2方向にしか向きを変えられないので、汚れる場所は前後の2か所に定める事が出来るのです。

ただ実際には身体を斜めに向けたりするので、結構な広範囲で汚れます。

パーチの種類は豊富

安価な物では塩ビ管で作られた物(1万円以下)や、何万円もする高価なものまであります。

止まり木(パーチ)の自作で注意する事

パーチは4万円以上するので、私は自作の止まり木を作りました。

ただ、思った以上に危険を感じました(後述)ので、作成して2~3日間は不具合があれはすぐに改善できるように、常にそばに居て観察をするのが良いかも知れません。

鷹匠になるには 訓練 止まり木

止まり木の自作では、鷹が羽ばたいても安全なものを。

特に以下の3・4・5番目は注意しましょう

  1. 十分な高さがある 鷹の尾は思ったより長く、高さが足りないと尾の先端に折り目が付き羽根を痛めます。また、常にフンが付いて不衛生にも。
  2. 人工芝を必ず巻く 鷹だけでなく鳥類は、止まり木がつるつるしていたり、不適切な太さだと足の裏に炎症を起こします(腫瘤症)。自分で自作をする場合には、必ず人工芝を巻くようにします。
  3. しっかり固定されている ラックを使用する場合はラック自体をロープなどで柱や壁面に固定し、鷹が羽ばたいても動いたり、倒れたりしないようにしておきます。
  4. 枝のある木材の使用は慎重に 木材はホームセンターで購入できますが、枝などがある場合、ロープジェスが引っ掛かる事があります。注意深く観察し固定する位置を調整するようにするか、ないものを使用するようにします。
  5. 落下・宙づり防止 止まり木から床までに高さがある場合は、落下防止や宙づり防止をします。

私は仕事の休みの日を見計らって待期し、常に監視カメラで観察していました。

特に宙づり状態では30分で命を落とす危険があると言われています。これは稽留時だけでなく、ひも付きのフライト訓練でも最も注意する事の一つですので、しっかり覚えておきましょう。

室内飼育ならフン対策

匂い

私はリビングに鷹を置いたのですが、お迎え初日、そのフン💩の匂いにとても驚きました。

とにかく思った以上に臭かったのを覚えています。

猛禽類とは肉食性の鳥類を言うので、さすが肉食動物と感心しましたが、これはとても耐えられないと慌ててペット用強力消臭剤を準備しました。

汚れ

フンの掃除は大変かもしれません。

思う以上にかなり遠くまで飛ばしますし、一文字の止まり木を使用していても、向きを変えて前後に飛ばすため双方で対策が必要です。

飼育当初、前後にペットシーツを敷いていましたが、鷹が下りてきてむしったり、羽ばたく風圧で吹き飛んでしまいました。

鷹匠訓練 フン対策

かなり広範囲にフンを飛ばします。

鷹匠訓練 フン対策

鷹匠になるには

仕事から帰って目にした光景

その為ペットシーツの上に人口芝を敷いて、重石替わりに塩ビ管のパーチを置きました。

長すぎる紐にも注意が必要です。また鷹の手(脚)の届く周辺に物は置かないようにしましょう。

輸送箱

猛禽類 鷹匠

鷹のお迎えについて調べると、専用のキャリーケースとして輸送箱というものがあります。

これは木でつくられたもので、中には止まり木があります。

凝ったものでは引き出し付きの物や、お洒落な模様が配されたものなど種類は豊富ですが、安くても4万円前後する高価なものです。

また、箱自体が重いので運ぶにしても車の荷台などに置く方が無難でしょう。

私は乗用車(セダン)に乗っているのですが、価格も高いのと、座席に木でできた輸送箱を置く事には抵抗がありましたので、迷いましたが購入しませんでした。

大型ペット用のキャリーケースと注意点

現在も愛用しているのがペット用のキャリーケースで、この中に止まり木を置いて使用しています。

鷹匠になるには 鷹道具

大き目のキャリ―で。停車中には片足立ちでリラックスする姿も。

プラスチック製なので持ち運びが軽く、洗浄しやすいですし、数千円で購入したと思います。

中は、床の部分に合わせて人工芝をカットし、止まり木をくくりつけました。芝の裏地に強力両面テープを貼ってケースに貼っているだけですが、しっかり固定できているので走行中に鷹が不安定になるような事もありません。

汚れたら、芝を外して水洗いしています。

隙間から脚を出させないように注意が必要

専用輸送箱は四方が木の板できている為外の景色は見えないようになっています。

ですがペット用キャリーケースでは、スリット(隙間)や扉から周囲が見えるようになっています。

その為、扉やスリットから外が見える状態で餌を認識させるものを置くと、鷹が脚を出してつかんでしまう事があるので、注意が必要です。

鷹匠になるには 鷹道具

私のように座席に物を置きがちな人は注意です。

これも私の経験(失敗)談ですが、うっかりと、鷹から見える位置(上の写真の赤丸)に口餌籠を置いてしまった事がありました。

鷹はそれに餌が入っていると知っていたため、スリット(矢印)から脚を出して口餌籠をがっちりとつかみ、なかなか離してくれなかったのです。

走行中の事でしたし、私自身鷹の扱いが未熟だった為、本当に焦りました。

鷹は、つかんだ物は自分の獲物として確保するので無理に取り上げる行為をするとその後のフライトに悪影響を及ぼします。

その為、このような時には無理に取り上げず、餌と交換に脚を離すようにさせます。

キャリーでは目隠し用の布を張るなどして対策しておきましょう。

普段の生活の中でも言える事ですが、餌を認識させるルアーや餌入れは、彼らの目の届く所には置かないようにします。

眼の届くところに置くとそれをめがけて襲います。

所がそれを無理に取り上げるような事があれば、獲物を横取りされたと思い、これを繰り返される事でいずれ狩りを諦めていくようになると言われているからです。

このあたりについては、ルアートレーニングの記事でご紹介していますので、ご参照いただければ幸いです。

鷹のフリーフライト~基本メニューと具体的なメニュー~

フライト練習に使用する物

以下の物については初期フライトでも必ず必要になりますので、チェックリストを準備しておきましょう。

注意専用の物はお迎え当日にお店で購入する事もできますが、商品によっては取り寄せが必要な場合があります。予めお店の方にお伝えして、一緒に持ち帰れるようにしておくと良いでしょう。

  1.  グローブ(専用)
  2. グローブ用クリーム(手入れ用)
  3. 餌入れ(専用でなくても可)・餌合子
  4. アンクレット・リーシュ・ジェス(通常装着済み)
  5. 忍縄(専用)
  6. ルアー(専用)
  7. 鈴(専用)
  8. GPS(専用)

必ず用意しておく物

グローブとお手入れ用のクリーム

猛禽を扱う際に利き手の反対側に使用する革製の手袋です。消耗品の一つです。

グローブには常に餌を乗せる為汚れますが、革製品は水やお湯で洗うと固くなるため、お手入れは革製品用のクリームなどで行います。

エサ入れと種類

腰につけられるタイプで、餌をこぼさないもの、鷹から中身が見えないものを用意します。

  • 口餌(籠):一口ずつ細かく切った肉を入れます。釣具店のエサ入れも便利。長いピンセットを使用して呼び戻しを行います。
  • 餌合子:肉のスライスや細かく切った肉を入れます。容器と蓋を(カスタネットの様に)打ち付けて音を鳴らし、呼び戻しに使用します。17000円~

私は餌合子の中に大好物の物を入れ、通常の呼び戻しとメリハリをつけるようにしています。

餌合子の使い方
鷹のフライトトレーニングの様子をご紹介しています。以前餌合子を使用している動画をアップしましたが、今回は使い方のご説明を加えてみました。#フライトトレーニング #ハリスホーク #猛禽類

アンクレット・ジェス・リーシュ

これらは通常装着されています。

猛禽類には個体識別用の脚環がはめられています。

それとは別に、フライトや稽留用の装具としてアンクレット(革製)、ジェス、リーシュの順に装着をしています。

  • アンクレット:革製の足かせです。消耗品である為、古くなった場合は交換が必要です。ハトメと言う器具を用いて自分で作る事ができます。
  • ジェス:アンクレットに差し込んで使用し、ロープジェスとフライトジェスがあります。ロープジェスは木の枝に引っかかる危険性がありますので、フリーでの使用は非常に危険です。ひも付きの訓練などで行動制限をします。フライトジェスは、革製の物でフリーフライトで使用できますが、切れ込みのあるタイプとないタイプがあり、より安全なのは切れ込みのないタイプです。
  • リーシュ:ジェスの先につけて猛禽の行動制限を行います。グローブに留まらせ足り、パーチに停まらせたり、用途に合わせて長さを変えられます。登山用のザイルで自作をする事ができます。
鷹匠になるには

アンクレット(革)ロープジェス・リーシュ(稽留用ロープ)

霧吹き

暑い日や、水浴びが嫌い、鷹狩などの遠征の際に体に霧吹きします。

紐付き訓練の場合

まだまだフリーにできない場合には行動制限をする為に紐をつけて訓練します。

忍縄(おきなわ)

訓練 ハリスホーク 必要な物

鉄製の杭は重いので、持って行かれない

20~30メートルの縄。初期訓練時に行動制限のために使用します。

当初は専用の縄がある事を知らず、ホームセンターで太さ3㎜程度の縄を使用していましたが、購入元で無料で行う訓練に行った時に、専用の縄がある事を知り、購入しました。

スイベル

ロープとロープを接続する為に使用する金具です。忍縄の先端に付けておくとリーシュの接続が簡単になります。

鷹匠

鷹匠になるには 鷹道具

紐の先端は二重結び

私は調教1年目の時、ロック機能のないフックを使用して、鷹をベランダの手すりに稽留し、気づかないうちにロストしていた大失敗をしたことがあります。

幸いすぐに回収できたからよかったものの、紐付きでロストすると樹の枝や建物などに引っかかり非常に危険ですので注意しましょう。

ルアー(疑似餌)と笛

鷹匠訓練 ルアーキャッチ

ルアーにはにはヒヨコを1羽つけ、ご褒美にしテンションを上げさせる

活餌などの代わりに使う疑似餌で、猛禽の呼び戻しや運動をするときに使用します。

空中でキャッチをさせる芸的な意味あいより、疑似餌を使用すればすぐに呼び戻せる、と言う回収手段としての確実な一手にする事が重要です。

笛は、ルアーと関連付けて使う事でトレーニングメニューにメリハリを持たせます。

羽根つきの物は、羽根をむしる事を覚えさせるので、消耗品ではありますが、メンテナンスにより直してもらう事も可能です。

鷹匠 訓練 フリーフライト

ルアー:羽根をむしる楽しみを与える事ができる。

練習方法

笛を吹き、ルアーを投げて地面に落とします。

ルアーにつける餌は、大きい物(例:ひよこ半分~1羽)にし、渡り練習後のご褒美として与えます。

こうすることで鷹はルアーをキャッチすればご褒美をもらえる、と覚え、ルアーが確実な回収手段となりえます。

練習方法の詳細についてはこちらの記事もご参照ください。

鷹のフリーフライト~基本メニューと具体的なメニュー~

鷹のフリーフライト~5つの目標と練習メニュー~

フリーフライトの場合

どこにいるかがわかります。

鈴は片足につけますが、両足につける場合には音色の異なるものを用意しましょう。

注意が必要なのは、鈴は必ず猛禽類など専用の物を使用するようにすることです。

一般の鈴は切れ込みが広い為、鷹がけがをする恐れがありますが、専用の物は狭く作られているため、安心して着ける事ができます。

なくても良い物

GPS

フリーになって筋力が付くと、ロストの危険が高まります。

人気種はマーシャルのGPSですが、アイパッドが別途必要で、アプリで追跡をします。

価格は29万8000円と非常に高価なものですが、発信機(鳥につける方)は最大5個まで取り付ける事ができます。

ハヤブサの場合にはあった方が良いようですが、ハリスではあまり必要ないようです。

フード

ハヤブサなどは獲物とみるとすぐにとびかかる為、飛んでいない時にはフードをかぶせています。

鷹にもフードをかぶせる場合はあるようですが、基本的には不要です。

いつでも用意できる物

ここでは、必要なものだけどいつでも購入できる物をご紹介します。

水桶

水浴び用です。水飲みを兼ねて水浴びをしますが、汚れがあるようなら速やかに交換します。

ホームセンターの植木鉢皿、コンテナなど大きさがある程度あるものに水を入れて置いておくようにします。

水浴び用に置いた桶ですが一度も使用せず…撤去

人工芝

ホームセンターで購入できます。なるべく凹凸のあるものを用意します。

鳥類は、つるつるした場所や不適切な太さのとまり木に稽留を継続していくと足に腫瘍ができるので、予防の為に必ず使用するようにします。

体調管理に使用する物

パーチ付き体重計

鷹のフライト訓練 フリーフライト

キッチンスケールに止まり木を設置して毎日フライト前に計測

デジタルキッチンスケールなどに止まり木を付けたものです。

鷹の使役に慣れるまでは毎日体重を計測し、フライトコンディションを見る際の参考にします。

コンディションは、体重計の数値だけでなく、肉色あて(ししあて)も重要になります。また、フンの正常も把握します。

補足:餌用デジタルスケールもあれば便利

体重管理の注意事項

体重管理の必要性は、餌への反応を上げる為ですが、環境要素も多く関連します。

フライトコンディションは体重のみで管理する事はできず、肉色(しし)あてやフンの性状も大切な観察項目です。

フライトを始めたころ、なかなか思うように飛ばすことができずに随分悩みました。

体重コントロールや肉色あては勿論、餌の量をはかり、フライト前後で体重を比較し餌の消化状態なども見るようにしていました。

🐥ひよこは消化がとても速く、ウズラの方が腹持ちは良いので、日々のフライト練習ではウズラを一日に1/2羽を与え、フライトで見慣れない土地などに行くときには、5日前あたりからひよこを併用して徐々に体重が落ちるようにして、調整をしています。

体重コントロールについては、以下でご紹介したいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。

鷹の初期トレーニング~餌への反応~
鷹のフリーフライトの為には、基礎訓練をしっかり行う事は勿論ですが、餌への反応を高め、確実に回収できるようにしなければなりません。今回は、餌への反応について、また餌への反応を上げる為にはどのような事に注意したら良いのかを総合的にまとめてみまし...

鷹の体重管理と給餌の関係~フライトトレーニング~

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